賽は投げられた:09
神楽は突然の事に動揺していた。
今までこんなにも乱暴に扱われた事が無かったからだ。
「ぎんちゃん?」
薄暗い部屋の中では銀八の表情もよく見えなかった。
ただ、いつものマッサージとは体勢も雰囲気も全く違い、神楽は戸惑っていた。
「怖いか」
銀八のすぐ近くで聞こえる声に神楽は首を振った。
すると、銀八の手が神楽に伸びて来て、薄いTシャツ越しに胸が揉まれた。
それはとても荒々しく激しいものだった。
なのに神楽はそれを嫌がる事なく、寧ろ喜びだと感じていた。
ようやく銀ちゃんが苦しみから解放されたんだと。
しかし、そんな事を考える余裕があったのも束の間で、神楽は次第に何も考えられなくなっていくのだった。
銀八は神楽のTシャツを下から大きく捲ってしまうと、下着の着けていない神楽の素肌が露になった。
長い足に細い腰、バランスの良い小振りな胸。
神楽は銀八がそれをマジマジと眺めている事に気が付くと、両手で身体を隠したのだった。
薄暗いとは言え、リビングから漏れる光で真っ白い肌は暗闇に浮かび上がっていた。
「なんでもするって言ったのはお前だろ?」
銀八はそう言うと神楽の腕をベッドに押さえ付けて、片手で神楽の胸を揉んだのだった。
柔らかい膨らみがぶにゅりと形を変える。
途端に神楽は顔を横へと向けた。
自分の視界に入ってくる白い胸と大きな手が、とてもいやらしいモノに見えたのだった。
「オイオイ、たかがマッサージだろ。なんでそんな恥ずかしがってんだよ」
銀八が軽く笑いながら言ったもんだから、神楽はムキになるとその光景を頑張って見ることにした。
それを確認したかのように銀八は、神楽が見てる目の前でわざとらしく乳首を軽く摘まんだ。
「むりむり!」
神楽はやっぱり恥ずかしいとまた顔を背けると、次の瞬間、胸に感じたぬめりとした感触に体を大きく跳ねさせた。
そして自分の声じゃないような、今までに聞いたことがないような悩ましい声が神楽の耳に入った。
我慢したいのに次々と声は漏れ、神楽はシーツを強く握り締めた。
だが、銀八の荒い呼吸と熱い舌が容赦なく神楽の胸を這いずり回る。
そして、啄まれたり、吸われたり。
その度に神楽はイヤラシイ声をたくさん上げた。
「その声、本当卑怯だよな」
銀八は神楽からようやく口を離すと、神楽の腕を押さえ付けていたのを止めた。
そして、今度はその手で神楽の唇をなぞったのだった。
神楽は頭がぼーっとしていた。
優しくなぞられると体が疼いた。
銀八の熱い息が神楽の顔に掛かる。
だけど、2人の唇の距離は一向に縮まらなかった。
していいの?
まだダメなの?
神楽は困惑していた。
キスはマッサージなんかじゃないからきっとしちゃダメなんだろうと。
だから、銀八は指でなぞるだけなんだろうと。
だけど、神楽は大人しく我慢出来なかった。
せめてその指だけでもと、神楽は口から小さく柔らかい舌を出すと、銀八の指を軽くつついたのだった。
「……神楽、お前」
そう言ったと同時に神楽の太股に硬くて熱いものがトンっとぶつかった。
そんな銀八の反応に嬉しくなった神楽はもう一度舌を出すと、今度は銀八の指を舐めた。
すると、神楽の唇をなぞっていた銀八の親指は神楽の口内へと突っ込まれた。
そして、小さな舌と絡まり刺激をすると、また神楽の甘い声が漏れた。
銀八は神楽の舌を唇の外へ摘まみ出すと、遂にそれに自分の物を絡めたのだった。
「んふっ」
神楽の鼻にかかった声が漏れる。
舌がビリビリと痺れるような感覚だった。
神楽の大人しい舌を銀八が吸ったり舐めたり。
擦れて滑る度に神楽は声を漏らした。
それからしばらく銀八は神楽の胸を触りながら、荒い呼吸で神楽の唇を奪い続けた。
どれくらい経ったか。
今は何時なのか。
神楽は全くわからなくなっていた。
ただ決して短くない時間、唇を重ねているのは分かる。
ちゅっとぶつかる唇と唇。
そして互いの口内で唾液まみれの舌がヌメヌメと絡まり合っていた。
銀八はどれくらいかぶりに神楽から唇を離すと、上に着ていた服を脱いだ。
そのせいで銀八の熱いカラダが神楽の胸に直接触れた。
「ぎんちゃん、火傷しそうアル」
「……どこが?」
神楽はフルフルと首を横に振ると、銀八は軽く笑った。
「先生のがヤバいんだけど」
銀八は神楽の太股に当たっている自分の熱い塊を更に神楽に押し付けた。
それは本当に熱く、今にも破裂してしまいそうに思えた。
神楽は太股でゆっくりそれを擦ってみると、銀八の表情が僅かに歪んだ気がした。
「なぁ、神楽」
銀八はそう言うと神楽の太股の間に手を滑らせた。
「待って!」
神楽がそう言ったのも虚しく、既に銀八の指は神楽の体液で溢れている下腹部をなぞっていた。
太股の間は既にヌルっとしており、神楽がどれ程快感を得ていたかが分かった。
銀八は神楽の下腹部を指で細かい振動を与えると、神楽は鳴き声のような声を上げた。
「ぎぃちゃっ」
神楽は自分の指を噛んでその快感に耐えるも、銀八のきままな愛撫に翻弄されていた。
胸を吸われ、下腹部の割れ目をなぞられ、たまに唇を塞がれる。
神楽は喘ぐ事しか出来なかった。
自分の指の刺激から得られるものとは随分違った。
もうこの快感を忘れることは出来ない。
神楽は銀八の指をもっと奥に感じたら、一体自分はどうなってしまうんだろうと思っていた。
体の中心が疼く。
もっと奥にそれが欲しい。
神楽は体をくねらせた。
「お前……そんな色っぽかったっけ?」
銀八は神楽の下腹部の割れ目の奥へ指を滑り込ませた。
するとキュウっと銀八の指を加え込んだ。
その後はもう分からなかった。
神楽は自分の胸に口を寄せる銀八の頭を両腕で押さえ込むと、下腹部の指の動きに頭を真っ白にさせた。
「あ、ちょっといい?神楽離して」
神楽は胸に押さえ込んでいた銀八を離すと、力の入らない体を重そうに起こした。
すると銀八は起き上がった神楽をベッドから下ろすと、ベッドの端に腰掛けている自分の正面に座らせた。
神楽は頭がボンヤリしていたが、銀八のずらされたズボンに今から何が始まるのかを察した。
知識として知ってるだけで、正確には何をしたらいいか分からなかった。
銀八は下着も遂にずり下げると、ずっと押し込めていた熱の塊を神楽の前に出した。
神楽はそれにそっと指で触れると、ピクンと動いたそれに目を大きくした。
「やり方知ってんのか?」
「……こうするアルカ?」
神楽は優しく手のひらで包むように握ると上下に手を動かした。
すると銀八は手を後ろ手につき、天井を仰いだ。
もしかして気持ちいいアルカ?
神楽は何だか嬉しくなると、ぎこちない手で一生懸命に動かした。
そして、次第に苦しそうな息遣いが聞こえてきた。
握ってる銀八のモノもさっきよりも硬い気がしていた。
「銀ちゃん、きもちぃ?」
神楽がそう聞くと、銀八はうんうんと頷いた。
そして、苦しそうな顔で言った。
「それにキス……して」
神楽は言われる通り、手のひらの中のモノに唇をつけた。
すると、銀八は更に注文をつけた。
「舌出して、舐めてみ」
神楽はどうしようかと思ったが、少しだけだと舌でなぞった。
すると、銀八がビクンと跳ねた。
その反応が嬉しくて、神楽はもう一度だけ舐めてみた。
やはり銀八は苦しそうな声を漏らすと体を震わせた。
神楽はもう少しだけと、先っぽを口の中に含むように舌全体で舐めてみた。
「んんっ!」
急に銀八は神楽の頭を押さえ込むと、激しく神楽を上下させた。
神楽は涙目になりながら喉の奥まで飲み込むと、口の中を銀八のものでいっぱいにした。
乱暴に扱われ、嫌なはずなのに神楽は大人しくしていた。
神楽の唾液は口から流れ出て、銀八が突っ込む度にじゅぶじゅぶと音が鳴る。
「あぁ、出るっ」
そう言った銀八は急いで神楽の口からから引っこ抜くも間に合わなかったのか、神楽の顔にぶっかけた。
なんとも言えない臭いが神楽の鼻につく。
ベタベタして、熱くて、変な臭い。
神楽がしゃがんだまま動けないでいると、銀八は神楽の顔を手にしたティッシュペーパーで拭いてやった。
「今の……アレだったアルカ?銀ちゃん、イったの?」
「悪い、神楽。マジで謝るわ」
銀八は床にいる神楽を抱えあげるとベッドへ運んだ。
神楽は一体、今のは何だったのかと考えていた。
顔にかけられたものが精子で、今やってたのは――
神楽は自分がとんでもなくイヤラシイ事をしてたと気が付いた。
でも、銀ちゃんが悦んでくれた。
神楽は銀八が、神楽の行為で気持ち好くなった事に胸がドキドキしていた。
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