2016 Request

桃色傀儡の続き

沖田にNTR返しされる

銀八が焦って神楽をヤリまくる

2人の間に挟まれてどっちも選べない神楽


続・桃色傀儡/沖神銀3Z(リクエスト)

 

銀八side

 

 何度、この腕に抱いても……

 何度、体を繋げても……

 何度、証を注ぎ込んでも銀八の不安が立ち消えることはなかった。

 沖田から神楽を奪った。それは無理やりだったわけではない。神楽がこちらを向くように軽く仕向けただけだ。少し軌道を修正してやっただけ。罪悪感は一切ない。沖田の憮然とした態度と光を失った目。あれを見る事が出来ただけで銀八は優越感を覚えた。

 筈だった――――――嘲笑われたのはどちらだったのか。今でもそれが分からない。

 

 

 

 電話が鳴った。非通知と言う文字が浮かんでいて、銀八は残業中の職員室でその電話を受けたのだった。神楽だろうか。一瞬、頭に過ぎったのだ。最近、銀八名義のケータイを持たせてやったのだが、もしかすると何か設定をいじったのかもしれない。そんな事を考えた。今日はやけに神楽が『残業なんて投げて一緒に帰るアル』そんな事を言っていたのだ。寂しくて我慢出来ずに電話でも掛けて来たのかもしれないと、休憩がてら電話に出たのだった。

「もしもし?」

 しかし、雑音が聞こえるだけで返事がない。イタズラ電話かとも思ったが、銀八は電話の向こうで黙ったままの人物に問いかけてみた。

「神楽か?」

「銀ちゃん……!」

 やはり神楽であった。職員室には誰もいない。もうすぐ二十時だ。今なら少し喋っても良いだろうと思った。だが、電話の向こうに居る神楽はどうやら同じ思いではないようであった。

「……はぁ、はぁ、フゥ……ッ……」

 上がる呼吸。一瞬、どこか痛むのだろうかと焦った。

「なに? お前、大丈夫?」

 しかし、次の言葉が銀八を落ち着かせた。いや、別の意味で焦らせた。

「んっ、ぁはっ! い、イッて良いアルカ……?」

 嘘だろ。銀八はずり下がった眼鏡を指で押し上げた。可愛い声で神楽が啼いていたのだ。一人が寂しくて心だけでなく、体も我慢出来なかったようなのだ。最近は忙しく、セックスも出来ていなかったと銀八は神楽の思いを汲んでやった。

「一人で何してんだよ。だから今日あんなにも一緒に帰ろうってお前言ってたの?」

 しかし、神楽はまともに答える気はないようで銀八に問うばかりだ。

「あっ、んぁっ、イッて良い……アルカ……んあっ……」

 銀八は椅子をくるりと回転させると窓の外を見た。雨がポツポツと降り始めたようだ。どおりで蒸し暑い。ネクタイを緩めると、銀八は真新しいタバコを咥えた。

「なんつう声出してんだよ。一人の時はいつもそんな感じなの? 神楽ちゃん」

 切実に欲しがっているイヤらしい声。最高で堪らないと銀八はニヤリと笑った。

「どこが気持ちいって?」

「お、おまんこ……イきたい……イきたいアル……お願い! ぎんちゃッ! 死んじゃうネッ!」

「どうしよっかな……」

 わざと焦らして、神楽が泣くまでお預け。銀八は神楽が苦しむ姿に欲情する性癖があった。沖田と神楽が交際していた時もそうだ。快楽に抗うことが出来ず、罪悪感を抱きながら苦しむ神楽が最高に好かった。だからこそあんなにも興奮し、孕ませたいと思ったのだ。だがそれも少し前の話だ。最近は自分のものになったせいか、どこか刺激が足りないなどと思っていた。久々に股間が熱くなる。

「俺がタバコ一本吸い終わるまで我慢しろ。できるだろ? それくらい」

 だが、電話の向こうの神楽はフゥフゥと呼吸を速めている。

「いッ……ぐッ、いぎッ、たい……良いって、言ってヨ……銀ちゃんッ!」

 電話の向こうの神楽を想像するだけで銀八も目眩がした。きっと神楽の細い白い指が愛液に塗れ、卑猥な音を立てていることだろう。この自分の肉棒を欲しながら。

「ぎ、ちゃん……はやぐ! イ……イきたいアル……!」

 従順だ。言いつけを守る良い娘である。銀八はタバコの煙を吐くと言った。

「気持ちいいの?」

 神楽は絶叫するように答える。

「い、ぐッッッ! いやぁあああああ!」

 さすがに銀八もこれには驚いた。まるで自分とセックスをしている時よりも感じているようなのだ。

「つうか、誰がイッて良いって? 今度、お仕置きでもされたいわけ?」

 しかし、電話の向こうの神楽にその声はもう届いていないようであった。こうなったらもう電話を切るか。そう思ってケータイを耳から離そうとした時だった。突然の雷鳴と電光。校庭に落ちたようなのだ。痺れる体と震える手。だが、その理由はただ雷に驚いたからではない。電話の向こうで聞こえたのだ。同じタイミングで落ちる雷の音が。銀八は電話の向こうに問いかけた。

「えっ、お前……学校に居るの? まさか……」

 銀八は慌てて廊下に出ると廊下の窓から3Zの教室を見上げた。電気が……消えたのだ。

「オイ、神楽? お前、帰ったんじゃ……」

 胸騒ぎ。嫌な予感がする。だが、電話はもう切れている。神楽の様子は分からない。銀八は急いで階段を駆け上がり3Zの教室へ向かった。しかし、そこにあったのは暗い教室だけでだった。神楽の席へと向かう。ひんやりとし、もう何時間も誰も使っていないことが窺えた。

「まさかな……」

 銀八は咥えていたタバコを指に挟むとその手で――――――沖田総悟の机に触れた。次の瞬間にはその机を思いっきり蹴り飛ばし、教室の隅へと飛ばしていた。人肌を感じたのだ。だが何故神楽はそんな所で体を弄った? 怒りが体を支配した。やはり神楽はまだ沖田のことを? 以前の沖田の言葉が脳裏を過る。

『鎖は俺が握ってる』

 嘘だよな。

 信じられない気持ちでいるのだが、教室の隅でひっくり返っている机が嫌になるくらい、真実味を帯びさせるのだった。

 


 

神楽side

 

 沖田との関係が終わってから、二人が会話をすることはなくなっていた。向こうが避けているからと言うよりは神楽が避けていたのだ。悪いことをしたとは思っているのだが、それでも仕方のないことだったと思っている自分もいる。そう思うのも自分には銀八がいる、その思いからだろうか? それでも沖田の自分を見つめる瞳に息が詰まりそうになる。冷めた氷のような眼差しだ。なじって欲しい。ぶん殴って欲しい。処罰感情が存在した。何か罰を与えて欲しいと思うことすらおこがましいのかもしれない。沖田の心の内はきっと考えたくないほど、自分に興味がないのだろう。そんな結末を迎えたのは他でもない、神楽自身が招いたことだ。だが、そんな沖田が突然神楽を呼び出したのだ。昼食後の昼休み。銀八は職員会議で会うことは出来ない。不安に駆られた神楽であったが、もしかすると望み通りになじってもらえるかもしれないと、沖田に会うことにしたのだ。

 ひんやりとした体育会倉庫。誰もいない。神楽は人目を気にしながら指定された倉庫内へ入ると――――――跳び箱の上に乗っている沖田を見つけた。

「……なんの用アルカ?」

 声が僅かに震えた。いつ振りに喋るだろうか? 三ヶ月? もっと?

 沖田の眼が神楽を貫く。

「分かってて来たんじゃねーのか?」

 神楽の額に汗が滲む。腿の横で握りこぶしを作ると神楽はゆっくりと言った。

「悪かったアル……お前を傷つけて……」

 しかし、見下ろす沖田の眼は満足しない。

「こっちはてめーの陳腐な謝罪なんて望んでねーんでさァ」

 そう言ってこちらに飛び降りて来た沖田は神楽の耳元で囁いた。

「テメェの誠意が見てえってことでィ。分かるだろ? 神楽?」

 沖田の口から紡がれる自分の名。胸が熱くなって、節操が無い。もう二度と同じ過ちは繰り返さない。そう決めているのだ。それなのにふらつく。揺れる。嫌になるくらいに。

「土下座すれば満足ネ?」

 沖田の手が神楽の向こう肩に置かれ、ぐいっと寄せられた。

「跪いて舐めるって意味か?」

「そんなこと……!」

 銀八が知ればどう思うか。沖田は知っての発言だ。つまりは《仕返し》だろう。神楽は自分には断る権利などないように思えた。だが、それでも今は銀八のもので、他の誰かと関係を結べば――――――それに今の沖田は神楽を求めたとしても、それは全て銀八への復讐の為である。

「出来ねーなんて言って、俺をがっかりさせねーでくれよ」

 嫌な笑みを浮かべた沖田は神楽のスカートの裾から手を差し入れた。

「や、ヤメろヨ!」

「誰もてめーの意見なんざ聞いてねえ。やれ」

 沖田の眼はいつか神楽を見つめていたものとはすっかり変わっていた。汚いゴミでも見る目つきだ。屈辱的だが、それでもこれを断る権利はきっともうない。

 こうして悩んでいる間にも沖田の手が神楽の敏感な部分を刺激する。

「触るナ!」

 沖田の顔が近づく。息が苦しい。そのまま唇を奪って欲しい。そんな物欲しげな目で見てしまう。

「勘違いするな。誰もてめーの望みを聞いてやるつもりはねえ」

 沖田の手が神楽のパンツの中へと突っ込んでいき、そして見下すような目つきからは想像出来ないような触り方をする。僅かに触れるような、なぞるような。決して思い通りに動かない道筋で――――――

「ぁっ、はぁッ……」

 思わず吐息が漏れた。ダメだと分かっているのに体は嫌になるくらい正直なのだ。

「銀八に仕込まれて、すっかりただの牝豚だな」

 鼻で笑った沖田が神楽のパンツの中から手を抜いた。

「えっ……あっ、なん、何でもないアル」

 もっと触れられたいと望んだ自分に赤面した神楽は沖田に背を向けた。

「それよりも早くしてくれ」

 沖田は神楽の前に自分の下腹部を晒すと、肉棒へと神楽の顔を近づけさせた。思わず唾を飲み込んだ。最近、銀八とはセックスもしていない。そのせいか堪らなく疼く。沖田の前に膝をついた神楽は肉棒を握ると、舌を大きく出して舐めるのだった。

 口の中を犯すように。口の中を性器のように使う。神楽は品もなく、唾液を垂らしながら舌を這わせた。そして吸って、喉に擦りつけて。痛みや苦しみは罰であると言うように。そうしている内に沖田に口腔内を支配され……それが胃へと流れていった。

「立てよ」

 その言葉に神楽は膣穴も同じように犯されてしまうのだろうと理解した。立ち上がると太ももには汁が伝い、既に十分過ぎるほど潤っている事が分かった。

「パンツ、脱げ」

 神楽は震えながらゆっくりと下着を脱いだ。それを沖田が差し出す手に置くと……取られてしまった。

「どうするつもりアルカ?」

「てめーが知る必要はねえ。良いから黙ってそこでスカートまくれ」

 いよいよ沖田に犯されてしまうのかもしれない。そう思うと信じられない程に体は火照り、呼吸が苦しくなっていく。神楽はスカートの裾を持つと、沖田の前に性器をさらけ出した。沖田がそれをしゃがみ込んでまじまじと見つめる。敏感な部分に息が当たって、それだけで……

「ひゃ、んッ、ぁッ」

 ポタポタと足元に雫が落ちていく。

「見られて興奮してるのかよ。それもあの野郎が仕込んだのか?」

「興奮なんて、してねぇアル」

 そんな性癖はないはずだ。見られて興奮するなど。

「それともアイツに抱かれてねーのかよ。飢えてんだろ?」

 図星である。今すぐにでも本当はめちゃくちゃに男根で突かれたいのだ。だが、それを口にすることなど沖田相手には絶対出来ない。沖田の目が神楽の顔へと向く。ズキッと胸が刺されたように痛んだ。

「今ここでてめーに突っ込んでやっても良いが、それじゃ興が無えってもんでさァ。賭けをしねーか?」

 神楽はもう何でも良いと頷いた。

「銀八はもうテメーに飽きてると見た。今日の帰り、銀八がテメーの誘いに乗らなかったら――――放課後、犯す」

 銀八が神楽に飽きているなど……。否定することは出来なかった。確かに最近はセックスもない。前のような神楽への執着を感じなくなっていた。それでもどこかで自分の体だけでなく心も愛してくれているのだと信じたい思いだ。

「……わかったアル」

 すると、突然沖田は神楽の股ぐらに顔を突っ込み、割れ目を舌でなぞった。

「んッ! んんッ……」

 ゾクゾクとする。神楽は必死に声を我慢した。愛液がまた溢れだす。だが、その舌の動きはすぐに止まり、そのもどかしさとじれったさに神楽は泣きたくなってしまった。イかせて欲しいと。

「なんて顔してんだ……」

 沖田がこちらを見て少しだけ物悲しい表情を浮かべた。

 やめて欲しい。いつかの淡い気持ちが蘇ってしまいそうだ。神楽は逃げるように倉庫から飛び出すと、沖田に取られた下着のことなど、すっかり忘れていたのだった。

 

 神楽は五時間目の授業終り、廊下で銀八の白衣を引っ張っていた。

「……ねえ、銀ちゃん」

「なに?」

 銀八は仕事も何もかもを放り出して自分を選んでくれるだろうか? 自信はない。それでも銀八を信じているのだ。今も私を愛してくれている、と。

「今日、一緒に帰ろうヨ。銀ちゃんと久々に二人でお家に居たいアル」

 一瞬、銀八が面倒くさそうな顔をした。その少しの変化に神楽の奥歯に力が加わった。

「悪い、神楽。今日も残業だわ。部屋行ってて良いから、一人で帰ってくれねえ?」

 まただ。最近こればかりなのだ。本当に残業なんだろうか。もしかすると他の女子生徒と? 神楽は胸の温度が下がっていくのを感じた。

「残業なんて放り出して、一緒に帰ってヨ。銀ちゃんともっと一緒に居たいアル」

 銀八は急いで神楽の口を塞ぐとシーっと言った。

「神楽、ここ学校、な?」

 そんな事は分かってる。それでも今日は、今日だけはワガママを聞いて欲しかった。じゃないと……

「つうか、なんでそんなに一緒に帰りたいわけ? どっか行きたい所でもあんの?」

 神楽は本当のことを言ってやろうかと思った。そうすれば銀八は絶対に一緒に帰ってくれるだろう。しかし、それはフェアではない。銀八が神楽を思って自ら取る行動でなければ意味が無い。それに神楽も銀八の本心が知りたかった。《沖田に奪われたくない》そんな思いで動かれるのはもう御免だから…………

「ううん、どうしても一緒に帰りたかっただけアル。無理なら仕方ないネ。じゃあナ」

 神楽はそう言うとすぐに銀八へ背を向けた。それは哀しみもあったが、放課後他人の肉棒を咥えるだろう後ろめたさの方が大きかった。沖田はこの結果に満足するだろうか。そして、罰と称してこの体を痛めつけるだろうか。神楽は悲しい筈なのだが考えるのは沖田のことばかりであった。

 

 放課後を告げるチャイムが鳴り、一人、また一人と生徒が教室から出て行く。神楽も今ならこの流れに乗って帰宅出来るような気がしていた。幸いにも沖田は土方と近藤と何やら喋っている。意識はこちらに向いていなかった。鞄を肩に掛けた神楽は逃げ出すように教室から出て行くと下駄箱まで階段を駆け下りた。その途中で新八とお妙の姿を見つけた。これはチャンスだ。二人と一緒に帰れば、沖田も他人は巻き込めないと諦めるのではと思ったのだ。しかし、それは誤算であった。あの沖田がそんな慈悲深い心を持ち合わせているなど、神楽の空想であったのだ。背後から迫ってくる足音。振り向けばそこに沖田が立っていて、薄笑いを浮かべていた。手には――――神楽の下着だ。それを徐ろに広げてみせると人が行き交う昇降口でこう言った。

「チャイナ娘。テメー、今ノーパンだろ?」

 神楽の顔が真っ赤に染まる。神楽の少し前を歩いていた新八とお妙も立ち止まりこちらを振り返ろうとしている。神楽は慌てて沖田を階段の上にまで連れて行くと諦めるのだった。もう逃げることは出来ないと。

「返す気ないんダロ?」

「それより、銀八に断られただろ? 賭けはテメーの負けだ」

 無駄な抵抗だった。

「どうせ銀八に飽きられて、捨てられるのがオチだ。それに――――――今更、罪悪感も無えだろ?」

 そう言った沖田の目には深い悲しみと怒りがこもっていた。神楽は甘んじて受け入れた。やはり自分は罰せられなければならないのだ。この男によって。

 

 人の居なくなった教室で沖田はしばらく何もしなかった。暮れゆく窓の外を眺めており、神楽はその姿を突っ立って見つめていた。本当なら今もあの隣に自分も居て、不器用ながらも笑って過ごせたかもしれないのだ。沖田は一体、何を思ってこの数ヶ月間を過ごしたんだろう。神楽は何も知らなかった。沖田のことなど何ひとつ……。

「こっち来い」

 突然沖田が振り返り、神楽を見つめた。妙なくすぐったさを感じる。神楽は言われるがまま沖田の元に行くと顎を掴まれた。そして沖田の顔が近づいてくる。神楽は反射的に目を閉じると――――――首筋に痛みが走った。見れば沖田が神楽の首に《痕跡》を残していたのだ。

「や、やめろヨッ!」

 神楽は沖田を突き飛ばすと慌てて手鏡で確認した。くっきりと残った痕。これでは銀八にバレてしまう。

「まさかと思うがバレずに浮気しようなんて考えてねーだろうな? これは浮気なんて甘っちょろい遊びじゃねぇ。テメーとあの野郎を罰する――――――処刑だ」

「処刑?」

 沖田は乱暴に神楽の腕を取ると、机の上に押し倒した。セーラー服の裾から沖田の手が差し入れられ、神楽はブラ越しに胸を触られた。

「取れ」

 沖田の命令。神楽は何も言わずにブラジャーを外すと、直接感じる沖田の指に目を瞑った。久々に他人に触られるからだろうか、体が敏感だ。軽く胸を揉まれているだけなのに、神楽は乳頭を固くさせた。それを摘まれて、弄られ……神楽は自分の指を噛むと声を我慢した。

「嫌がりもしねーで……この牝豚」

 銀八以外に触られて、それも復讐なんて名目でだ。それでも神楽の体は敏感に反応を示し、触れられれば触れられるだけ快感を得た。セーラー服は気づけば胸の上まで捲られ、沖田に乳房を吸われていた。

「んぐッ、んふ、ん……」

「善がるな」

「そんなんじゃないアル……」

 神楽は沖田の顔を引き離そうと押したが、沖田は嫌だと更に強く吸い付いた。そのせいで乳首に痛みが走った。

「痛いッ!」

 すると沖田はようやく顔を離し、そして不気味な笑顔を神楽に向けたのだ。まるで痛めつける事が愉しいとでも言うように。その癖、神楽の太ももを撫でる手つきは愛しい女でも愛でるようなもので、神楽はその温もりに体を熱くさせた。下着を穿いていないせいで割れ目の中から溢れる愛液が、すぐに尻の下へと流れる。沖田の手は更にスカートの奥へと移動すると、割れ目を静かになぞった。尻の方がからクリトリスの方へと指が上がっていく。

「んんッ、うッ、はぁ……はぁ……」

「今から犯されるってのに、なに悦んでんだ。テメーが淫乱な痴女なのか、それとも……」

 沖田が神楽の下腹部をトントンと指で叩く。

「まだ俺に惚れてるのか?」

「ふぅん……んッ、違っ……」

 今、好きなのは銀八だけだ。沖田のことはあの日、銀八に精液を初めて注ぎ込まれた日に忘れたのだから。

「たとえそうだったとしても俺は、テメーみたいな牝豚。何の興味も無え」

 そう言った沖田は神楽のスカートから手を抜くと、ズボンのファスナーに手を掛けた。そして、興味がないと言った割にはそそり立った肉棒を取り出したのだ。

「もしテメーが自ら俺に犯されたなんて知ったら……野郎はどう思うかねィ?」

 神楽は僅かに体を起こすと首を振った。

「私がお前を求めるなんて、そんな事あるわけないネ。今は銀ちゃんが好きアル」

「なら、これ……我慢出来るな?」

 既に神楽はローションを塗りたくったように濡れており、男を早く味わいたいと沖田を誘惑していた。沖田は熱い亀頭を神楽の濡れている割れ目の中へと密着させた。

「…………ッ!」

 沖田が神楽の顔を見下ろしニタリと笑う。本当に愉快だと満足そうな表情だ。そんなカオをされてしまうと……

「なんでィ、やっぱり欲しいんだろ?」

 神楽は自ら腰を動かして、グリグリと亀頭を刺激したのだ。そして、滑りの良い神楽の秘部はぽっかりと口を開け始める。

「はっ、あっ、入れたくないアル……んっ……」

 神楽は自分の顔を両手で覆うと疼く膣穴に負けそうになっていた。沖田の熱が絶えず神楽を惑わせる。気が狂ってしまいそうだ。

「そんなに拒むこともねーだろ? 一度はヤッた仲だ」

「でもッ、その時は……まだ……」

 沖田がドンと神楽の顔の横に手をついた。

「まだ、なんだよ? もう、だろ?」

 食いしばられた歯、憎悪に満ちた目。あの時を思い出してこんな顔をしているのだろう。沖田と初めて結ばれた日――――――既に神楽は銀八の物になっていたのだ。

「悪かったアル……でも、私も……お前のこと思って……」

「笑わせんな……」

 沖田が腰に力を入れて神楽の方へ突き出した。思わず神楽も腰を浮かせ、入れやすい姿勢を取ってしまった。

「あっ、違っ! 待てヨ……ゴムは?」

「今更そんな下らねえこと気にするのか、テメーは」

 沖田がフッと軽く笑って髪を揺らした。

「それとも……ゴムさえあれば悦んで腰振るってことか?」

「そうじゃないアル! って……あっ、入る……イヤ……」

 神楽はそう言いながらも決して股を閉じなかった。理由はもう分かっている。神楽はそのまま特に抵抗も見せず、沖田の肉棒を飲み込むのだった。

 

 銀八に開発された体のせいなのだろうか。他人の肉棒に突かれ、嫌悪感があるはずなのに気が狂ってしまいそうな程に気持ち良いのだ。

「ぁっ、ああッ、あっ」

 我慢しきれず喘ぎ声を上げ、ここがどこだとか、相手が誰であるとか、神楽は考えられなくなっていた。このままではすぐにでも絶頂を迎えるだろう。神楽はイキそうになると沖田のシャツを強く握った。

「えっ……」

 しかし、沖田は腰の動きを止めるとなんてことない顔で言ったのだ。

「誰もテメーが気持ちよくなる為に動いてやってるわけじゃねーんだ」

 すると沖田はズボンのポケットからケータイを取り出した。そしてそれを神楽に持たせた。

「逝きたくなったらダイヤルボタンを押せ」

「どういう意味ダヨ?」

 しかし、沖田はそれには答えず再び神楽を突き始めた。

「誰も、イクなとは、言ってねえ。いきたきゃ……電話で許可もらえ」

「誰に?」

「電話の向こうの相手だ」

 沖田はそう言って前のめりになると神楽の唇を奪ったのだった。懐かしい香りと柔らかさ。神楽は自ら舌を絡めると膣穴をキュウっと絞り上げた。すると沖田の唇は離れ、腰の動きが止まった。苦しい。もっとキスされたいし、突かれたい。それも乱暴に激しく。

「なっ、なんで……こんな……」

「さっきも言っただろ? 電話の相手にイッて良いか許可もらえって」

 沖田は神楽が電話を掛けるまで絶対にイかせてくれないようだ。それはあまりにも切ない。神楽は子宮が疼くままにダイヤルボタンを押すのだった。それを確認した沖田は神楽の深い所までガンガンに突いた。

「ぁっ、あっ、い、いくアル……」

 その言葉に腰の動きはまた止まってしまった。早くイかせて欲しい。神楽はベソをかくと繋がった電話の向こうに耳をすました。一体、誰に繋がったのだろう。悪趣味な変態野郎? そう思っていると今一番聞きたくない男の声が聞こえた。

「神楽か?」

「銀ちゃん……!」

 その瞬間、神楽の心臓は跳ね上がり、それと同時に膣が沖田の肉棒を飲み込もうとうごめいた。沖田が薄笑いを浮かべ、こちらを見ている。神楽の強張る顔と興奮している膣に沖田は満足しているのだろう。また肉棒で神楽の中を擦り始めたのだ。

「……はぁ、はぁ、フゥ……ッ……」

 神楽はもうイキそうであった。だが、この電話の相手に許可をもらえなければ神楽はイクことが許されない。沖田の手がクリトリスを軽く弄ると、神楽は銀八にようやく尋ねたのだった。

「イッて良いアルカ……?」

 しかし、銀八はまさか神楽が苦しんでいるとは知らないのだ。それも沖田の下で。

「あっ、んぁっ、イッて良い……アルカ……んあっ……」

 早くイキたい。それなのに銀八はもったいぶってなかなか許可を出してくれない。沖田にクリトリスを弄られながら膣を擦られ、神楽は乱れ狂った。

「……お願い! イきたいアル! 死んじゃうネッ!」

 沖田は再び動きを止めると、神楽を笑って見下ろしていた。苦しむ様が堪らないのだろう。沖田の肉棒が神楽の中で更に膨れ上がる。神楽は堪らず自ら腰を動かすと、肉棒を膣でしごき始めた。

「いッ……ぐッ、いぎッ、たい……良いって、言ってヨ……銀ちゃんッ!」

 神楽は泣いていた。もう気を失ってしまいどうなのだ。沖田はそんな神楽に追い打ちかけるようにゆっくりと腰を打ち付けた。ズブっと奥まで入り、一気に抜かれる。かと思えばパンパンと卑猥な音を立てながら神楽を犯し始めたのだ。

「ぎ、ちゃん……はやぐ! イ……イきたいアル……イかせてヨ!」

 沖田の肉棒が神楽を刺激し、机の上には愛液が水たまりを作っている。イヤらしいジュブジュブとした音が聞こえ、神楽ももはや限界のようであった。

「い、ぐッッッ! いやぁあああああ!」

 潮を噴きながら激しく絶頂を迎えた神楽はそこで気を失った。だが膣が痙攣し、イッた後もまだ沖田をしごいていた。

 沖田は神楽から電話を受け取ると通話を切った。それと同時に雷鳴と電光が教室を包み、嵐を予感させた。沖田は身なりを整えると、神楽を抱えて教室を出るのだった。

 

 

 

 次に神楽が気づいた時。真っ暗な保健室のベッドの上にいた。

「あれ? 沖田は?」

 だが、誰の姿もなく神楽は慌ててベッドから飛び降りた。

「そういえば……」

 神楽は自分の膣に指を突っ込んだ。だが、そこに沖田の残骸はなく、自分だけが果てたことを知ったのだった。それは単に気持ちよくなかったからなのか、それとも注いでやる価値もないと思ったのか。神楽には沖田の気持ちをうかがい知る事は出来なかった。

 


 

銀八side

 

 沖田の机を蹴り飛ばし、少し冷静になった後だった。非通知でメッセージが届いた。

「保健室……?」

 沖田だろう。銀八は荒した教室を直すことなく飛び出すと保健室を目指した。そこでもし見たくない光景が広がっていたとしたら? 冷や汗が流れる。銀八は階段を駆け下りると真っ暗な廊下を走り、保健室を真っ直ぐに目指した。

「神楽ッ!」

 そこには一人で神楽が立っており、ただ静かにこちらを見ていたのだ。

「ぎん、ちゃん?」

 銀八は神楽に駆け寄ると力強く抱いた。

「なんで……お前……」

「銀ちゃん……ごめん……ごめんアル……」

 彼女の言葉の意味。銀八はもう何が遇ったのかを察すると、神楽を抱え上げて優しく――――――いや、雑にベッドへ放り投げた。

「銀ちゃん?」

 ネクタイを外し、眼鏡を取る。今銀八に渦巻く感情は正しく嫉妬だ。

「神楽、股開けよ」

「ちょ……待って、いやアル」

 しかし、銀八は無理矢理に神楽の股を開かせると膣に指を入れた。

「なんでこんな熱いんだよ。お前、自分の指だけでこんなんなったの?」

 明らかに何か太くて硬いモノが突っ込まれていた開き方だ。

「……銀ちゃん、ごめんアル……もうやめてヨ……」

 涙を溢す神楽に胸が震えた。沖田に抱かれたのは神楽の望みではない。だからこそ謝って許しを乞うのだろう。銀八は神楽の頬に伝う涙を唇で拭ってやるた。そして気付く。涙を溢し、先ほどまで他の男の肉棒で善がっていた神楽に股間が熱くなっていることに。

「銀ちゃん、ごめんアル……」

 神楽が謝れば謝る程に硬さは増していき、出してやらなければ痛むほどに腫れ上がった。銀八はベルトを外し、下着をずらし神楽にのしかかった。

「銀ちゃん! いやアル! やめて……ッ!」

「黙ってろ」

 銀八は神楽の口にネクタイを噛ませると無理矢理に中へと突っ込んだ。久々の神楽の温もり。銀八は神楽の穴程自分によく合う鍵穴はないと思っていた。隙間なくピッタリと形が合致する。だからこそ銀八は神楽に溺れた。こんなに好い穴は初めてだと。自分の為だけに生まれて来てくれた存在だと、そんなふうに思っていたのだが……

「なんでだよ……オイ、神楽…………」

 少しも気持ち良くない。無理矢理にこじ開けられた鍵穴はすっかり形を変えていたのだ。もうあの頃の神楽は居ない。沖田を受け入れ、乱暴に掻き回された挙句我を忘れた。それはもう神楽ではない別人だ。銀八はそんなふうに思ってしまった。

「神楽、沖田くんの良かったか……あんなに絶叫するほど……」

「ぐっ、うっ、う、んぐッ」

 神楽は虚ろな目で静かに銀八を見つめていた。それが可哀想で堪らなかった。銀八は神楽の目に掛かる前髪を退けてやると瞳をじっと見つめた。

「あの時、銀さんイッて良いって言わなかったよな? なんでお前イッたの? 沖田くんに突かれながら」

「んぐッッ、ん、うッ、んん……」

「え? 聞こえねえよ。あの野郎のがデカくて良かったって?」

 銀八はそこからひたすら神楽を抱いた。怒りや哀しみ、憤りをぶつけるように。しかし、どんなに神楽を抱いても、いくら毒を吐いても銀八の膿が出ることはなかった。結局神楽を……自分を傷つける事しか出来ず、震えるその体から離れると神楽を自由にしてやった。

 

 ベッドの端に腰掛けタバコに火をつける。不味い。こんなにも不味いものだっただろうか? 神楽はまだ背後でぐったりとしている。銀八はそんな神楽になんと声を掛けるべきなのか分からないでいた。年甲斐もなく泣きそうなのは自分の方なのだ。神楽を沖田から奪えたと思っていたのに――――――やはりそれは幻だったのだろうか。

 

2016/06/25