2016 Request

原作設定

万事屋で従業員とペットが居ないのをいい事に銀時はエロDVDを鑑賞

最悪にも帰ってきた神楽にその光景を目撃されてしまう

迫られるが拒絶

その日を境に、神楽から迫られるも、銀時は頑なに拒絶を続け、

女の部分を見せ付ける神楽に我慢ならなくてプロの店へと出向く

銀時を神楽は尾行するし、神楽も店内へ入ろうとする

新入りの女の子と勘違いされ店の中へ

従業員になりすました神楽とそれに気付かず抱く銀時

其処では神楽を抱いた事に気が付かなく、ひょんな事から神楽があの時の従業員だと気付く


 

 

危機怪怪/銀←神(リクエスト)

 銀時は今日この時を今か今かと待ちわびていた。新八も居ない、神楽も居ない、そして定春も居ない。そよ姫の声掛けで真夏の怪談大会に出掛けているのだ。明日の朝まで帰らないとの神楽の言葉に銀時は胸を踊らせ、先ほどレンタルして来たばかりのアダルトDVDをデッキへ差し込んだ。晩飯も済ませた。風呂も。あとは溜まりに溜まった鬱憤を『淫乱天使~403号室~』で発散するだけだ。銀時はテレビを少し動かすと絶好のポジションを取りスタンバイした。

『あッ、ぁッ、ああッ、あはッ!』

 テレビ画面に映し出される女の裸体と喘ぎ声。しばらく右手を忙しく動かしていた銀時は、興奮も最高潮に達したところで隣に置いていたティッシュを数枚手に取った。だが、今日は思ったよりとんでもない状況らしくティッシュが足りない。銀時はティッシュ箱に手を伸ばそうとしてブルっと体を震わせた。

「もう一枚、欲しいアルカ?」

「…………ん、もう二枚」

 息も絶え絶えに銀時はそう言うと、隣でしゃがみ込んでいる神楽からティッシュを受け取るのだった。そこで銀時の血の気が引いた。何故神楽がここに居る?

「ぎぃゃあああああああ!」

 飛び上がって叫んだ銀時はトイレに逃げ込むと鍵を掛けた。

「ま、まずは状況を確認……」

 だが、どう考えても下半身は露出していて、更に今の今まで何も気付かずにしごいていた。神楽は一体どこから見ていたのだろうか? 全部か?

 その時、戸がドンドンと叩かれた。

「銀ちゃん! 出て来いヨ!」

 何故出て行かないとダメなのか。と言うか、神楽は銀時が行っていた行為の意味を分かっていないのだろうか。もしかするとそうかもしれない。その線が濃厚であると銀時は気を取り直して身なりを整えるとトイレから出るのだった。

「つうか、お前。なんで戻って来てんだよ」

「そんなこと後で良いアル。それよりも銀ちゃん……」

 そう言った神楽は人を小馬鹿にするような表情をした。

「さっきの何だったアルカ。あんな手に入らない女の映像なんか見て……」

「うるせェ!」

 銀時は神楽を押し退けると寝室へこもろうとして腕を掴まれた。

「知ってるアル。銀ちゃんが何やってたのか」

 そう言った神楽はやけに大人びて見え、どこか恐怖を感じた。そんな神楽に逆に寝室に連れ込まれると、銀時は布団の上に投げ飛ばされてしまったのだ。

「いでェエ! 何のつもりだバカヤロー!」

 しかし、何が起こったのかを確認する前に神楽が腹の上に乗ったのだ。

「さっきのってエロい事デショ? 銀ちゃん、気持よかったから白いドロドロいっぱい出したんダロ?」

 顔がカァっと熱くなる。言い逃れは出来そうになかった。そんな銀時を見てなのか、神楽が顔を近づけ嗤った。

「一人で気持ちいい事して……ズルいアル」

 そう言った神楽は本当にいつもの“あの神楽”なのだろうか? 表情が随分と大人びていて――――神楽の白い手が銀時の股間に触れた。

「何やってんだよッ!」

 しかし、神楽は嗤うだけだ。歯も見せずニヤリと口角を上げて。

「本当はさっきのエロDVDみたいなこと、銀ちゃんもしたいんデショ?」

 否定はしない。出来るものなら女体を抱き、思いっきり奥深くで発射したいのだ。しかし、金もない、女にもモテないとあっては叶える事は難しい。だからこうして夜な夜な虚像に思いを馳せるのである。

「お前は馬鹿アルカ?」

「何だよ」

「ここに居るダロ? 美少女が……」

 神楽に押されて大人しくしている銀時だが、この想定外のアクシデントに心臓はバクバクバクと音を立てている。冷静ではいられない。神楽の手つきも妙にいやらしい。額に脂汗が滲む。

「銀ちゃん……私にエッチな事して良いアルヨ」

 しかし、思いの外その言葉で冷静になったのだ。

「あのな、神楽。悪いけど俺はガキに欲情する程、飢えてねえんだよ」

 途端に神楽の顔つきも子供じみたものへと変わる。

「私のどこ見てガキって……ガキって言うアルカ!」

 頬を膨らませ、これではただの駄々っ子である。年齢以前に色気など皆無だった。

「分かったら下りて、もう寝ろ」

 銀時はしぶしぶ下りた神楽にため息を吐くと布団を頭から被った。

「…………銀ちゃん。後悔しても知らんアル」

 捨て台詞を吐いた神楽は襖をピシャリと閉めた。負け惜しみと言うのだろうか。だが、銀時はあまり深く考えないことにすると、その日は眠るのだった。

 

 翌日。まさか神楽がこんなにも意地になるとは思わなかった。

 窓際の椅子に座る銀時と、ソファーでお茶を飲む新八。神楽はと言えば……

「銀さん、そう言えば神楽ちゃんを朝から見てないんですが、どこ行ったんでしょうね」

 そう言って茶をすすった新八に銀時は額に汗を滲ませながら答えた。

「あ、あれだろ、公園で沖田くんと……ひゃぁああ!」

「どうしたんですか? 急に気色の悪い声なんて上げて」

「な、なんでも無えよ」

 そうは言ったが何でもあるのだ。実は神楽はこの部屋の中に居て、更に銀時を脅迫しているのだった。新八からは見えないこの机の下。そこで銀時の股ぐらに入り込み、手にはハサミを持っていた。

「銀ちゃん、こういうシチュエーション……憧れだったダロ?」

 神楽はそう言って銀時の股間に頬を擦りつけてはいるが、銀時のギンさんはそれはそれは可哀想なまでに縮み上がっていた。片手にハサミなんてモノを持たれては、勃つものも勃たなくなる。

「か、神楽……何考えてるか知らねえけどな、ンなことやったって……」

「じゃあ、これでどうアルカ?」

 神楽はそう言うと銀時のズボンのファスナーを下ろしたのだった。焦った銀時は必死に神楽の手を掴んで止めたのだが……突然、右手の人差し指が生温かくなった。見れば神楽の柔らかそうな唇の中へと突っ込まれていたのだ。

「ちょ! お前!」

 しかし、ちゅぱちゅぱと神楽は赤子のように銀時の指を舐める。小さな舌が指に絡みついて、くすぐったさを覚える。それを嫌がって神楽の舌に絡みつかれながらも指を引き抜こうとすると――――――

「んッ……」

 神楽の声が鼻から抜けたのだった。新八の眼鏡が光った。

「今の……なんですか? 銀さん」

「は、はぁ? 何が? 全然何も聞こえなかったんですけど~」

 もちろんそれを聞き逃す新八ではない。

「いや、聞こえたとか言ってないんですけど」

 やっちまった。銀時はどうするかと焦ったが、その間も神楽が銀時の指をアイスキャンディーでも舐めるように舌を動かす。銀時も先ほどの神楽の声がどういったものか分からないわけではない。多分、神楽の舌を刺激したことによって…………銀時は確かめる為にもう一度、神楽の舌を指の腹でゆっくりなぞった。

「ぁッ……んふ……」

 こちらを見ている新八の顔色が赤いものへと変わった。

「や、やっぱり! これってそういう声ですよね! 何なんですか! 銀さん!」

「知らねえよッ! お前の腹でも鳴ってんじゃねぇの?」

 これで誤魔化せるとは思わないが、新八も案外ボケていると銀時は割りと落ち着いていた。それにしても神楽はまだ《エッチな事》をして欲しがっているのだろうか。どこで教育を間違えた? そんな事を考えるもこの町で育つ以上、無垢ではいられないかと諦めた。

 銀時は新八がこちらから顔を背けたのを確認すると、股ぐらへと目線を落とした。

 見れば神楽の頬は紅潮し、物欲しげな顔をしている。こんな表情は初めて見た。ガキだと昨夜は言ったが、正直艶っぽさを感じずにはいられない。だが、こんなものは気のせいだろうと銀時はフゥっと息を吐いた。

「……もう満足しただろ? 出てこいよ」

 しかし、神楽は銀時の指を解放すると、今度は中途半端に開けたままのファスナーへと興味を移した。

「駄目だつってんだろ!」

 今は特にダメである。先ほどの神楽の舌使いや表情のせいか、半分は起き上がっているのだ。いくら昨夜、全てが見られたとは言っても見せるわけにはいかない。何よりも神楽の術にハマることになっては大問題だ。銀時は無理やりに椅子から立ち上がると、逃げるように外へ出るのだった。

 

 あれから神楽とは会わずに夕暮れまでパチンコを打ち、その後飲みに出掛け、帰ったのは深夜であった。さすがに神楽も眠っているだろうと思って帰ったのだが……残念な事にまだ諦めていないようであった。ソファーにうつ伏せで倒れ込んだ銀時の元へ、パジャマ姿の神楽が現れたのだ。

「……ガキはさっさと寝ろよ」

 しかし、神楽はまぶたを擦りながらも銀時の背中に乗ってしまった。

「今日は……なんか悪かったアルナ……」

 珍しく素直に謝る声が聞こえる。さすがに神楽もやり過ぎたと反省したのだろうか?

「だったら大人しく言うこと聞いて、押入れに入って来い」

 しかし、神楽は何も言わずに銀時の上でうつ伏せになった。背中に神楽の熱が広がる。

「なぁ、銀ちゃん。こないだのってオナニーって言うんデショ?」

 銀時は寝たふりをした。だが、神楽のお喋りは止まらない。

「エッチなことって気持ち良いって聞いたアル。この世で一番気持ちいいって」

 だから、興味を持ったのだろうか。だとしても何故この自分が神楽にエッチな事をしなければならないのか。いや、もしかすると性教育もそろそろ行わなければならない時期なのだろうか? このままいけば、どこの馬の骨かも分からない男の子どもを孕む可能性だってある。それならば自分が避妊をした上で…………そこまで考えて頭を振った。

「お前はまだ知らなくて良いの」

「なんでアルカ? ガキだからネ?」

「…………もう良いだろ。寝かせてくれ」

 いかにも面倒くさいと言ったふうな態度を取ったが、神楽はしぶとい。まだ押し入れへと入る気配がない。

「銀ちゃんがどう思ってるかは分からんアル。でも、きっと思ってるほどガキじゃないネ」

 この言葉に一度は目を閉じて眠ろうとした銀時だったが、思わず反応してしまった。

「へぇ、どのあたりが?」

 すると神楽の手が銀時の手に重ねられた。熱い。子ども特有の体温なのか、それとも発情した女のそれか。銀時は神楽に手を握られると少しだけ心臓が痺れたのだ。

「キスの仕方だって分かってるし、どこ触れば気持ちいいのかも分かるアル。どんなふうにやれば良いのかも全部」

 なんで知っているのか。神楽のこの性への興味はもしかすると裏に誰か……それも男がいるのではと勘ぐった。

「ねぇ、銀ちゃん」

 やけに甘えた声だ。それが耳元で聞こえた。絡まっている指と指は熱く、妙な気分にさせた。だが、相手は神楽なのだ。銀時はそれを頭で認識はしているのだが、姿が見えないせいか体は勘違いを起こしかけている。これはマズイ。非常にマズイ。

「銀ちゃんだって、無料(タダ)で乗れる女が居るなら、乗りたいと思わないアルカ?」

「神楽、そんな言い方はやめろ」

 自分を大事にして欲しい。それは銀時の願いである。だから、保護者として叱ってみせたのだが……耳たぶに触れる神楽の柔らかな唇が全てを取っ払おうとするのだ。

「でも、銀ちゃんに触られたいって……カラダは泣いてるネ」

 思わずカァと顔が熱くなる。これは性への興味などではなく、自分への興味なのかもしれないと気付いたのだ。つまり神楽はこの自分に抱かれたがっている? 先ほどの性教育の件とあいまって、想像してはいけない二人の姿が浮かんだのだ。神楽のぴったり閉じている割れ目に肉棒を突き刺す光景が――――――

 背中に汗がじんわりと広がる。それは神楽が乗っているからなのだろうか? 銀時はもうやめてくれと、神楽に繋がれている手を振りほどいた。

「寝ろ! 頼むから寝てくれ!」

 さすがに神楽も銀時の気持ちを察したらしく、大人しく押し入れへと戻っていった。

 一体これがいつまで続くのだろうか? すっかり銀時は興奮して眠気など吹き飛んでしまったと、しばらく何もない暗闇を見つめているのだった。

 

 銀時の悩みなどお構いなしに、神楽は翌日もその翌日も銀時へと猛攻撃をしかけていた。隙を見て風呂に『背中を流す』と言って入って来ようとしたり、チャイナドレスのスリットから妖しげに脚を出してみたり。他にも膝の上に乗って甘えてきたり、寝ている銀時の元へ見たこともないハレンチなチャイナドレスでやって来たりと、さすがに銀時も疲れていた。そんな疲れている銀時に追い打ちを掛けたのが――――――恐怖のマッサージだった。

「銀ちゃん、疲れてるダロ? マッサージしてあげるネ」

 その言葉が罠であることは予想がついた。だが、銀時の理性やその他もろもろは限界に達していたのだ。布団の上で寝転がる銀時はもうどうにでもなれと思っていた。抵抗する気力もない。このまま流れに飲まれて…………二人が合体する様が浮かび上がる。それで本当に良いのか? 銀時の中で色んな思いがせめぎ合っていた。このままマッサージと言う名の愛撫を全身に受け、本能のまま暴走する方が良いのか、はたまたここを飛び出して、商売女相手にめちゃくちゃやらかす方が良いのか。前者は良心が痛むが、後者は懐が痛む。だが、天秤にかけるまでもないと銀時は万事屋から飛び出すのだった。財布を握りしめて。

 

「オイ! 銀時! 寄っていかんか! 今なら指名料無料!」

 偶然、呼びこみをしていた桂に出会った銀時はもう安ければどんな店でも構わないと、看板も見ずに飛び込んだのだ。まさかその後、神楽が銀時を追いかけ店に入ったことなど何も知らずに。

 

 激安店に入った銀時はその不安が的中していた。指名料無料とは聞いたが……これでは肥溜めの中からフンコロガシを探すようなものである。

「こ、この娘で……」

 受付で銀時は一番人間っぽい造形の人物を指名した。先程までの劣情や熱情など、どこかへぶっ飛んでしまったのだ。しかし、家へ帰れば神楽に誘惑されることは請け合いだろう。店を変えるにも金はない。基本的に動物園のような店しか行けない事は分かっている。泣く泣く部屋に通された銀時は、いざとなれば自分に目隠しをするか、相手の顔面にビニール袋でも被せようと思ったのだ。

 銀時が指名したのはジャバ・ザ・ハットに少しだけ北川◯子に似た鼻をもったブッチャー面の風俗嬢だ。他に在籍していたのは、基本的に口の避けたカエルが蛇を飲み込んだような面構えの23歳(89歳)や、出目金が高圧力により更に口から内蔵を出してしまった系女子が出した排便のようなものばかりであった。一番マシだった。とにかく《すごい技を持っている》と言うことだけに望みをかけて、銀時は待ったのだった。

 ドアが開く。恐怖でそちらを見る事が出来ない。もうこうなったら着物の帯で目隠しするのが賢いと、銀時は自ら視界を封印するのだった。

「…………いらっしゃいませ」

 聞こえてきた声は爽やかな草原でさえずる小鳥のように可憐なものだった。天は二物を与えずとはいうが、こういう神のいたずらもあるものなのだと銀時は胸に深く刻んだ。これならイケる。銀時は目隠しを取ることなく果てる決意をすると、小さくガッツポーズをしたのだった。

「えっと……なにから……すると良いネ? シャチョさん」

「もしかして新人?」

 ここで銀時の望みは打ち砕かれた。まさか新人だったとは。《すごい技を持っている》と言う希望はあっけなく散ったのだった。だが、声だけ、声だけは儲けものだ。神に感謝しつつ、銀時は仕方がないとリードしてあげる事にした。

「シャワー……浴びません? ね、シャワー……」

 ジャバ・ザ・ハットである以上、妙な臭いが立ち込めていそうなものである。肉の間とかよく洗ってもらわなければ、ウン年前のナニが出て来るかもしれない。恐怖を感じた。

「じゃあ、服ぬがせますネ~」

 いよいよジャバ・ザ・ハットが発進する。初の接触だ。銀時は深く息を吸うとぐっと呼吸を止めた。しかし、予想外のものが銀時の体に触れたのだ。細い指。それがスルスルと着物を脱がしていく。もしかして指だけは肥えなかったのだろうか? 銀時はそこで呼吸を再開すると、若い娘の早熟な匂いを嗅ぎとった。いい匂いだ。もっと側で嗅いでみたい。まるで美少女が目の前にでも居るかのような錯覚に陥った。

「お姉さん、名前は?」

 思わず欲が出る。

「………………グ、ラグ子!」

 銀時は可愛い声と香しい匂いに少し期待が膨らむと、ラグ子に連れられシャワールームへ入るのだった。

 思ったよりも小さな体。声はずっと低い位置から聞こえている。

「シャチョさん……いつもこういう店来るネ?」

「いや、頻繁には……」

 小さな手が体の上を滑り、洗ってくれているのだが、もう既にそれだけで銀時のシャチョさんは張り始める。それが指の先でトンっとつつかれた。

「はうっ!」

 思わず情けない声が漏れると…………温もりに包まれてしまった。小さな口が銀時の肉棒を吸い込んでいるのだ。確かに不慣れな動きだ。だが、その素人っぽさが堪らないと銀時はそこで一度果てるのだった。

「す、すごい……射精たネ……気持ちかったデスカ?」

 銀時は呆然としながら、この後どうするか考えていた。女体に触れたいのだが、目の前に居る美少女は幻想であり、実際はジャバ・ザ・ハット(一部、北川◯子似)のブッチャー面である。折角、ここまで盛り上がっている気分が萎えないとも限らない。さっさと素股でもして帰ってしまうのが良いのかもしれないと、ラグ子にベッドへ行くことを提案した。

 

 シャワーから上がって体を拭き終わった二人は、ベッドの上で臨戦態勢をとっていた。ラグ子を仰向けに寝かせ、正常位素股でフィニッシュを決めようと思っていたのだ。

「あの、太もも閉じてくれる? そこに入れるから」

「や、優しくしてネ」

 妙な艶っぽさを感じる。だが、目の前に居るのは人間の皮すら被っていないバケモノだ。銀時は恐る恐るラグ子に触れると――――――

「え?」

 滑らかな絹のような肌に、張りの良い太もも。何よりも随分とスタイルも良いようで、銀時は一体何が起こったのかワケが分からなかった。

「あ、あの、お姉さん……指名した人だよね?」

「そうネ。最近ダイエット成功したんダヨ」

 と言うことは、ボディーは最高であるがやはり顔面はブッチャーなのだろう。銀時は緩めかけた目隠しをキツく縛り直した。

「そ、それは良かったですね」

 とにかく体だけは最高である。手を伸ばして胸に触れてみたが、小振りな胸に小さな乳首をつけていた。

「ぁッ、それ……ダメ……」

 可愛い声も聞こえてきた。お陰で銀時は萎えるどころかバッキバキに勃起させると、ローションをつけて太ももの間に肉棒を突っ込むのだった。

「いやっ、擦れるヨ!」

「擦ってんだから仕方ねえだろ」

 嫌よ嫌よも好きのうち、そんな言葉が頭に浮かびながら銀時はクリトリスに擦り付けるように腰を動かした。

「ぁッ、んッ、きもちい……もっとしてヨ……」

 その悩ましげな声と、くねる細い腰に銀時は理性をぶっ飛ばすと、勢い余ってキスをするのだった。小さくて潤った可愛い唇。そして、花びらのような薄い舌。思っていたものと全く違うと銀時は暴走し、もう相手がなんだって良いと舌を絡めるのだった。

 そして、欲が出る。このままどうにか本番出来ないだろうかと。相手は新人だ。それを悪用して、挿入してしまえないだろうか。あるいは事故を装って……

「ここ、おちんちん、入れて……お願いネ」

 まさか向こうからそんな言葉が聞けるとは。これが店ぐるみの罠であってももうなんでも良い。目の前に攻めこむべき穴があるなら、男は黙って突っ込むだけである。それも装備もなしで。《ビョーキのリスク》そんな言葉は理性を失った男の前には存在しなかった。ぬるっと突っ込めば、極楽浄土が待っていた。まるで処女のような膣の狭さと初々しさ。これを食えるのに食わない男は馬鹿である。銀時はハッキリと頭の中に神楽を想像して、腰を振るのだった。本当は神楽をこうして犯したかった。ガキだなんだと遠ざけていたが、抱けるものなら抱いてしまいたい。だが、やはり神楽は大切だ。男の欲望のはけ口になどなって欲しくないと、銀時は頭の中の神楽を孕ませるつもりで大量に精液を注ぎ込んだ。

「……はぁ、はぁ……イクッ! ッ!」

 その勢いで目隠しが取れてしまうと――――――――目の前に顔面がドロドロで真っ黒なお化けが現れたのだ。

「ぎぃやああああああ!」

 叫んだ銀時は慌てて店から飛び出すと、神楽が待っているであろう万事屋へ帰るのだった。

 

 その夜、神楽は珍しく銀時への誘惑をしなかった。その翌日も、更にその翌日もだ。きっと神楽も飽きたのだろう。そう思っていた。お陰で銀時も悩みがなくなり、気分も軽くなっていた。ただまだあの顔面がドロドロで真っ黒のお化けを夢に見ることはあるが、あれは想像の中で神楽を犯した自分への罰だと思うことにしたのだ。

 そんなある朝のこと。新八が風呂の方から出て来た神楽に何かを叫んでいた。

「そ、そんな格好はちょっと……だ、駄目だろォオ!」

 廊下で何やら騒いでいるのだ。銀時が何事かと思い出て行けば、随分と短い丈のチャイナドレスを身にまとった神楽がいた。それに髪型も変えたらしく、長く伸びた髪をツインテールに結っている。こうして見ると神楽がいい女に変身したように思えた。ガキ臭さが抜け、まるで男を知ったような雰囲気だ。

「新八、うっさいアル。ちょっとそこ退けヨ」

 そう言って物置へと入っていった神楽に、新八は真っ赤な顔でくの字になっていた。

「か、神楽……さんん!?」

 もしかすると神楽は恋でもしたのかもしれないと、銀時は成長を感じていた。ついこの間まで、この俺にエロイ事をして欲しいと言っていた少女には思えないのだ。銀時は窓際の椅子に座ると、いちご牛乳を飲みながら少しの寂しさを感じていた。するとまた廊下が騒がしくなって、ドドドドドと居間へと駆け込んで来る足音が聞こえた。だが、いつものことだと銀時は気にも止めなかった。

「ぎゃぁああ! 銀ちゃん、ゴキブリ出たアル!」

「新八に頼めよ」

 しかし、その新八が神楽と同じように叫んでいるのだ。

「ぎゃぁああ! バケモノ!」

 そんなにデカいゴキブリでも出たのだろうか? 銀時は何気なしに騒ぐ二人を見た。そこに居たのは涙で化粧が崩れたのか、顔面がドロドロで真っ黒なバケモノだった。

「ま、まさかな……」

 銀時はこの見覚えのある顔に気付かないフリをすると、脂汗を掻きながらいちご牛乳を飲みつづけた。

 

2016/07/09