2016 Request

無人島が舞台

神楽(14)・沖田(18)

R18(野性的・開放的)


サヴァイブレーション/沖神(リクエスト)

 

 波の音と無数の星々。他には動物と二人の人間だけだ。沖田総悟と万事屋の神楽。永遠にこんな無人島で二人だけで過ごすのだろうか。隣で眠る神楽の横顔を眺めながら沖田はそんな事を考えていた。

 

 

 気付いた時には砂浜に打ち上げられていて、隣にはグッタリと動かないチャイナ娘が居たのだ。

「ってェ。ここは一体……」

 頭の痛みが多少あったが、意識はハッキリしている。それでも直前の記憶が思い出せない。唯一覚えていることは、そよ姫主催の船上パーティーが開かれ、そしてそこで神楽と鉢合わせし――――――

「うっ、ん……」

 神楽は軽く唸ると目を覚ました。どうやら怪我はしていないようだ。沖田は体を起こすと神楽を覗き込んだ。

「おい、生きてるか?」

 すると力無い目がこちらを向いてパクパクと口が動いた。

「み、ず? 水ならここに腐るほどあるだろ」

 しかし神楽はそんな沖田の意地悪にも反応を見せず、さすがに沖田も冗談じゃないと神楽を抱きかかえた。そして茂みを掻き分け雨露を探した。だが何も見つからない。空を見上げてみたがここがどこかも分からない。グッタリとした神楽に焦る気持ちだけが膨らんでいく。思っているよりも状況は悪いらしい。

「しっかりしろ! こんな所でくたばるタマかよ!」

 沖田は耳を澄まし音を拾うと水の流れを探した。海があり、茂みがあるという事は真水がどこかにあるかもしれないのだ。それに山もそびえ立っている。近くとは言い難いが必ずどこかに川があるはずだ。

 そこからしばらくして沖田は開けた場所に滝を見つけると神楽を抱いたまま川へ入った。

「ほら、好きなだけ飲めよ」

 しかし神楽は沖田にしがみついているのがやっとだ。力が弱い。沖田は片手に水をすくうと神楽の唇から流し込んでやった。それにしてもどうしてこうなったのか。船に二人の姿が無いと分かれば捜索隊が出るだろうが、ここが江戸沖からどれくらいの距離にあるのかも分からない。とにかく今夜は帰れないだろう。となると、落ち着いて眠れる場所を探さなければならない。あとは食糧の調達だ。

「もう良いか?」

 だが神楽はもっとくれと水をせがんだ。水をやるのが構わないのだが、少々面倒臭いと思ったのだ。ちまちまと手で水をすくっても大した量を飲ませる事は出来ない。沖田は自分の口に水を含むと神楽の唇を舌で割り、口移しで水を飲ませた。神楽の目が静かに開いて、だが水を飲み込むと再び閉じた。

 それからすぐに川から上がった二人は川のほとりで体を休めた。滝の音と川の流れ。そして鳥のさえずりが聞こえてくる。隣の神楽はこちらに背を向け丸まりながら何を考えているだろうか。もう体力は戻って来ているはずだろう。地球人とは違うのだから。代わりに沖田の体力が限界だった。眠い。疲れた。神楽を運んで歩き回ったからだろうか。それともキスとも気付かずに神楽の唇に唇を付けたからだろうか。少しだけ気まずさを感じた。

 その時だった。ガサガサっと音が聞こえ沖田は飛び起きた。神楽はまだゆっくりとした動作だ。沖田は神楽を庇うように音の方から神楽を遠ざけると、茂みの揺れる音に《その物体》が人間、或いはそれよりも大きいと気が付いた。こんな茂みに居るとすれば、熊ではなく虎だろうか? 沖田は腰の刀を抜こうとして何も無い事に気が付いた。仕方がなく脇差を抜くと茂みの向こうに目を凝らした。

「わぁん!」

「はっ?」

 白い巨体がこちらに飛び込んで来たが、それが獰猛な熊でも虎でもない事に気付くと脇差を収めた。

「さだ……はる?」

 定春が神楽の頬を舐めると、神楽は定春の首元に顔を埋めて抱き締めた。少し安心出来たようだ。すると定春は神楽を背中に乗せると沖田の目を見て《ついて来い》と言うように鳴いたのだった。もしかすると助けが来たのだろうか。沖田は定春に続いて海岸の方へ戻るのだった。

 だが、茂みを抜けた先には誰もおらず、船の姿すら見たあらなかった。しかし、大量の魚やタコ、エビなどが打ち上げられており……いや、どうやら定春が捕まえたようなのだ。

「わんころ。良くやった」

 沖田がそう言って定春を撫でるも定春に頭をかじられた。

 

 割れたガラス瓶を使って太陽光を集め枯れ木に火をつけると、魚を焼いて沖田と神楽、そして定春は食べた。腹が膨れたせいか沖田も元気になり、神楽もすっかりと調子が戻っていた。しかし神楽は沖田から距離を取り、あまりこちらを見ようとしない。もしかすると川での出来事がまだ尾を引いているのかもしれない。沖田は少し神楽の視界の外に出ようと立ち上がった。

「俺は探索してくるが、てめーはあの木に下がってる実を取れるだけ取っとけ」

「わかったアル」

 こちらを見ることはなかったが、神楽は素直にそう返事をした。思っている以上にこの状況に参っているのだろう。少し放っておこうと沖田は一人で茂みの中へ入って行った。

 

 とりあえず今夜の寝床を確保しなければならない。先ほどの滝の場所を覚えると木の幹に印を付けて歩いた。そこから更に奥に進むと、思いの外小さな島らしく向こう側の海岸へと出た。

「……ッ!?」

 ログハウスがあり、もしかするとこの島は誰かの所有するプライベートビーチなのかもしれないと気が付いた。だが、ログハウスの戸には鍵が掛かっている。とは言えこちらは遭難中だ。沖田はドアを蹴破ると中へ入った。

 手入れの行き届いた室内。埃の状態から年に数回は使われているようだった。

「無線くらいありそうだが……」

 沖田はログハウス内を探したが残念な事に連絡を取れそうなものは無かった。だが、それでも収穫はあった。いくつかの缶詰と飲み水、あとはライター、マッチ、懐中電灯。そして、ログハウスの裏には一見川のように見えるのだが温泉があった。沖田はこれだけあればしばらく生き延びる事が出来ると安心した。

「それとこのダブルベッドがあればもう安心でィ」

 これを神楽に教えるべきだろうか。少し悩む。きっと神楽に教えれば《ベッドを寄越せ》と奪われる事うけ合いだ。余計な体力は使いたくない。しかし、あのチャイナ娘とは何かとぶつかり合う。そして今は邪魔するものが誰もいない。互いが倒れるまで殴り合うことだって可能なのだ。だが、こんな事も頭に浮かんでくる。このベッドを沖田が一人で使うのでもなく、神楽が一人で使うのでもない。二人で使うと言うことである。

 今だけは仲良く分けてやるか。

 沖田はログハウスの外へ出ると神楽の元へと戻った。

 

 戻ると小さな木陰に座り込む神楽が居た。確か夜兎は日光に弱かったと思い出す。だが、山盛りのヤシの実にただ神楽が疲れただけだと知った。

「おい、朗報だ。向こうに良い小屋がある」

「本当アルカ? 嘘じゃねーだろうナ」

「テメーに嘘ついてどうすんでィ」

 神楽は沖田を疑うような目つきで見上げていたが、すぐに立ち上がると沖田に言った。

「どこダヨ。さっさと案内しろ!」

 いつも通りの神楽の口の悪さ。これに安心すると沖田は小屋まで神楽を連れて行った。

 

「温泉まであるネ。ここ、誰かの持ち物アルカ?」

「だろうな。ってことは生き延びれば必ず助かるって事だ」

「でも、いつまで生き延びれば良いんダヨ」

 神楽の言葉の端々に不安が表れている。正直言えば沖田自身も不安なのだ。だが、それを神楽に見せはしない。格好悪いという事もあるのだが、神楽の不安を余計に煽りたくないと言う思いもあった。

「そういや、さっきテメーが取った木の実だが、洗剤にもなるし燃料にもなる。風呂入るなら割って持って行け」

 神楽はまだ疑うような目で沖田を見た。そんな目で見られる事には慣れていない。嫌な気分だ。ただ嫌われているのとも憎まれているのとも違う。どこか怯えるような目だ。沖田はその理由を自分の唇に見つけると神楽から目を逸らした。

「誰が覗くかよ」

 それだけを言ってその場から離れた。

 

 神楽はしばらく帰ってこなかった。沖田はその間、小屋の中の掃除をし、使えそうな物を集めていた。さっきから汗だくで不快感が酷い。沖田が上半身だけ裸になると、小屋のドアが開き神楽が戻って来た。だが、さっぱりした割には眉間に深いシワが刻まれている。

「着替えってないアルカ?」

「ここに俺の汗が染み込んだシャツならある」

 神楽に無視されると沖田は自分も体を洗って来ようと裏の温泉へと向かった。そして、着ているもの全てを脱ぐと洗って、自分の体も洗って……そして気付いた。着る物がないことを。その辺りのバナナの葉などを駆使し、腰みののようなものを作ると下半身だけ隠して小屋へ戻った。そして、手すりに服を干すとドアを開けて中へ入った。

「お、お前! 何アルカ!」

 驚いた顔をしている神楽だが、神楽こそ予備のシーツを体に巻き付けドレスのように着ていた。

「テメーこそ結婚式かよ」

「裸族よりましダロ」

 そこで互いに笑うと少しだけ空気が和んだ。

 

 気付けばシーツのドレスを着た神楽はベッドで眠っていた。窓の外はそろそろ日が沈む。赤い光が波に跳ね返り海が黄金色に輝いていた。沖田はすっかり乾いたシャツを羽織りながらそれを静かに見ていた。あとは酒があれば最高だ。そんな事を考えていたが沖田も眠たくなった。神楽の横に体を投げると静かに目を閉じるのだった。

 

 

 どれくらい眠っていただろうか。神楽はまだ眠っている。沖田は喉が渇いて目が覚めると生ぬるい飲料水を飲んだ。そして窓を開けると夜風が涼しく心地よかった。すると神楽も目を覚まし、ベッドの上に体を起こした。いつもは気付かないが髪が肩まであって、そんなに長かったのだと初めて知った。だが、今日知ったのはそれだけではない。神楽の唇が自分のものと比べ物にならない程に柔らかいと言う事も知った。それが頭から抜けないのだ。今もシーツだけに包まれ、こちらを見ている。それがとても不思議で夢のように思えるのだが、絶え間ない波のような心音が現実であると教えていた。

 羽織っているだけのシャツの隙間から夜風が肌を撫でつけて、妙な気を呼び起こさせる。

「何してたアルカ?」

「なんでもねーよ」

 沖田は水の入っていたボトルをテーブルに置くと神楽の隣へとゆっくり戻った。神楽の目が大きく開かれた。

「……ここで寝てたのカヨ」

 沖田は答えずに横になると神楽に背を向けた。

「テメーが望んでるような事はしねぇから安心しろ」

「は、はぁ? 誰も何も望んでねーヨ」

 そう言って神楽が沖田の背中を蹴ろうとするも沖田はその足を掴んだ。

「……だったら黙って寝ろ」

 いくらでもこの足を開いて男が女に何をする生き物なのか教える事は出来るのだ。神楽は慌てて足を引っ込めるともう何も言わなかった。

 

 翌日、神楽はいつも通りのチャイナドレス姿で定春の捕まえた魚を焼いていた。傍にはココナッツジュースがあり、これだけ見れば誰も遭難しているとは思わない景色である。

「これ……」

 黙って神楽を見ていた沖田に神楽が焼けた魚を差し出した。随分と素直である。面白味は半減だが、これはこれで新鮮でもあった。

 沖田は焼き魚を頬張りながらしゃがんでいる神楽を見下ろした。木の葉を使い自分で作った日よけの中で小さくしゃがんでいる姿を見ていると、とても馬鹿力のある少女には見えなかった。しゃがんでいるせいかスリットから真っ白な肌が覗き、ノースリーブから出ている腕も簡単に折れてしまいそうなものである。無駄な体力を使いたくはないが、許されるのなら少しだけ触れてみたい。こんな非常事態にも関わらず、何を考えているのだろうかと頭を振って考えを掻き消した。

 

 そこから数日間、同じようなリズムで二人は過ごした。だが、いつ救助が来るのかも分からず、日に日にストレスも溜まっていく。神楽とも何を考えているのか分からない程に会話はなく、この大人しい姿が神楽の本当の姿なのかも知れないとさえ思うほどだ。ケンカにもならず、それが余計に沖田のフラストレーション溜めると苦しめた。更に言うと、溜まっていくものはそれだけではないのだった。

 

 

 挨拶もなく神楽と沖田は隣り合って眠る。いつもの事だ。だが、今夜は目を閉じることも出来ず沖田は神楽に背を向けジッと一点を見つめていた。ある事を思い出していたのだ。

 

 今日、昼間神楽が風呂に入っている時だった。たまたま枯れ木を拾っていた場所から入浴中の神楽の姿が見えてしまったのだ。神楽からは暗くてこちらが見えないだろうが、沖田からは全てが丸見えであった。白い肌と膨らんでいる小振りな乳房。毛の生えていない下腹部。丸みを帯びた尻。何もかもが見えていた。心臓が痛い程に跳ね上がり、だがそれでも女の裸くらい何だと思う自分もいる。それがせめぎ合っていたのだが、気付けば右手でバキバキに勃起した男根を握っており、呆気なく果てていた。罪悪感を感じる。それとあのチャイナ娘で抜いたと言う自己嫌悪もある。しかし、こればかりは仕方がないと受け入れた。だが、二度はない。神楽を想い右手を動かすなどもう二度としないと誓ってその場を離れたのだ。

 しかし、昼間射精したにも関わらず、シーツだけを体に巻き付けた神楽が隣で寝ていると言うだけで股間に熱が集まる。眠ることが出来ない。薄い布の下にあの眩しい裸体が存在するのだ。そう思うだけで異常な程に興奮する。また神楽の体を思い出しながら一人で慰めるか? だが、手の届く距離に神楽が居るのだ。せめて体くらい見ながらイキたい。沖田の手が眠っている神楽へと伸びる。起こさないように静かにシーツを摘んだ。すると神楽の目が開き沖田の手首を掴んだ。

「……何してるネ」

 神楽の目が沖田を恐れているように揺れていた。そんな神楽にゾクゾクと痺れてくる。身体の中心から衝動が湧き上がり沖田は堪らず神楽に被さった。

「な、なに考えてんダヨ!」

 神楽は嫌がってみせたが沖田は神楽の唇を塞ぐと小さな舌を吸った。それだけで神楽の抵抗は弱まり、沖田のなすがままであった。水を飲ませた時に唇を重ねたが、その時とは違い、今は神楽の息遣いを感じる。ぬるりと逃げ出す小さな舌。だが、それもすぐに絡まり始め、唾液が交わる。沖田のリミッターがそこで壊れると神楽のシーツを剥いでしまった。

「……まっ! ちょっと……恥ずかしいアル」

 神楽が自分の体を手で隠したが、沖田はそんなもの逆に欲情を煽るだけだと喜んだ。

「お前……私を好きだから……キスしたアルカ?」

 好きだから。そうではない。ただその体が欲しいから。もっと野生的な理由なのだ。沖田は神楽の乳房に吸い付くと中指で神楽の割れ目を撫でた。小刻みに刺激を与えれば神楽がこちらを求めるのは分かっている。

「そんなことッ……しちゃ……ダメ……アル」

 沖田の中指に甘い雫が触れた。神楽が感じている証だ。沖田は両手を使うとクリトリスを擦りながら膣穴に指を差し入れた。

「やっ、ぁッ、あんっ!」

 神楽の細い腰が艶かしく動く。まるで誘っているかのようだ。指を食おうと吸い付いてくる。ここに突っ込めばさぞかし気持ちいいだろう。ピチャピチャと音が立ち、神楽の声と混ざり合って沖田の欲情を大きく煽る。

「啼いてねぇでコレしゃぶれ」

 神楽ばかり良い思いをさせる程、ひとが出来てはいない。沖田はベッドに仰向けに寝ると神楽を体の上に呼び寄せ尻をこちらに向かせた。そして四つ這いにさせると沖田は神楽の股ぐらに顔を埋めて甘い雫を舐めあげた。

「はッ、ぁッん!」

 神楽も自分が何をすべきなのか分かったらしく、沖田のそそり立つ肉棒を口に入れるのだった。神楽の熱い舌が先をくすぐる。それだけで腰が疼く。口の内側の肉に亀頭が擦りつけられ、舌が絡まりながら吸い上げられる。ジュブジュブといやらしく、はしたない音が聞こえて来て沖田も神楽の膣穴をほじくるように舌をねじ込んだ。もう我慢の限界だ。このまま発射しても良いのだが、せめてひと突きくらいはしたいのだ。

 沖田は神楽下ろすと後ろから抱き締め横になった。そしてそのまま挿入すると乳房を鷲掴みにした。狭い膣に肉棒がしごかれ、思わず声が漏れそうになる。それを堪えるように神楽の乳首を摘めば、更に膣が締まった。沖田の頭は狂乱した。神楽の首筋に吸い付いて、全身で神楽を犯すのだった。

「んひいッ! おがしぐッ、なっぢゃうッッ!」

 しかし神楽は悦び、潮を噴きながら快楽に酔いしれていた。誰にも邪魔されず、好きなだけ猥褻な行為に没頭できる。こんな楽園を知ってしまったのだ。もう元の生活には戻れないかもしれない。沖田は神楽の中から肉棒を引き抜くと正常位で神楽を突いた。神楽の虚ろな目が沖田を映し揺れている。

「なんで……こんなにッ、気持ちいいアルカ?」

「……テメーが俺に惚れてるからだろ」

 神楽は下唇を軽く噛むと仰け反りながら喘いだ。沖田も汗をポタポタと落としながら神楽を存分に味わった。そして絶頂が近い事を察すると白い腹の上にぶちまけるのだった。

 

 翌朝。沖田は神楽より早く目覚めると滝壺へ行き、深く潜った。頭を冷やすように。

 気を抜けば嫌になるくらい体が火照る。そして隙があれば交わりたい。獣のように。もう神楽を女としてしか見れなくなっていたのだ。女にここまでハマるなど想像も出来なかった。こんなにも求めてしまうのは相手が神楽だからなのだろうか。あの滑らかな柔肌と桜色の胸。思い出すだけでまた下腹部が……

 沖田は岸に上がると神楽の甘い声を思い出し右手を動かした。

『ぁッ、んッ、ぁあッ……』

 沖田は呼吸を速めると素早くしごき、精液を吐き出そうとして――――――神楽が目の前に立っていたのだ。沖田は慌てて川へ飛び込んだが、神楽がゆっくりとチャイナドレスを脱ぎ始めそこから目を離すことが出来なかった。バレないように川の中で右手を静かに動かした。

「どうせ……これが見たかったんダロ?」

 チャイナドレスを脱いだ神楽は真っ白な素肌を外気に晒すと、座って川へ足をつけた。

「股、開けよ」

「じゃあ、見たいって言えヨ」

 そんな事は死んでも口にしたくない。沖田は泳いで神楽の元まで行くと腿を開かせた。

「な、なっ! 何勝手に見てんダヨ!」

 だが沖田は構わず神楽の割れ目をジッと見つめた。ただ見ているだけだ。それなのに神楽の呼吸は速まり、割れ目から何かがポタポタと垂れ始めたのだ。

「なんでィ。そんなに俺が欲しいのか?」

 神楽は顔を赤らめこちらを睨んでいたが、その目が良いのだと沖田はわざとらしく音を立て神楽のクリトリスをしゃぶった。

「イクッ! イっちゃうからァ! やめッ……」

 その後に神楽はすぐにビクンビクンと体を震わせると、声すらも出ないくらいに感じているようだった。沖田は川から上がると神楽を四つ這いにし、後ろから獣のように犯した。青空の下。それも野外で交わっている。人間である事を思い出さないように努めると、沖田は神楽の細い腰を掴みピストンを繰り返した。

「ぎ、もちイイ……」

 神楽は胸を地面につけ、尻を高く上げた。そのせいで奥の奥まで沖田は飲み込まれ、あまりの気持ち良さに声が漏れた。

「はっ、くッ……イクッ……!」

 堪らない。もう出そうだ。沖田は急いで引き抜くと神楽の尻に精子をぶっ掛けた。

「そんなもんで終わりじゃねぇダロ?」

 挑発的な神楽の態度。沖田は神楽に押し倒されると唇を奪われた。神楽の舌が割って入って来て……悪くはないが、神楽に押されているのは悔しい。しかし、その間にも沖田の沖田は復活し……神楽が跨った。

「入れねえって選択肢はねーのか?」

「何か言ったアルカ?」

 神楽は足を大きく開くと沖田の肉棒をその体に飲み込んでいった。温かい。神楽の僅かに歪んだ顔に優越感を覚えた。すかさず下から突き上げて神楽の余裕を奪ってやった。

「そ、んなの……駄目アル!」

 神楽の小振りな胸が揺れ、膣内の男根はしごき上げられる。結合部がはっきりと見え、間違いなく二人の肉体は繋がっていた。

「……お前ッ、名前、知ってるアルカ?」

 突然、神楽がそんな事を言った。よく意味がわからなく何も返事をしなかった。すると神楽は体を倒し沖田の耳元で喘ぎながら言ったのだ。

「ぁッ、ん、私は、知ってるアルヨ……『総悟』」

 その瞬間に沖田は限界を迎え、神楽の膣内に大量に精液を放出した。

「いゃぁああ! お腹、熱いアル!」

 初めて膣内に射精したが言葉に出来ない程に気持ちが良かった。

 ふらふらとした神楽がゆっくり沖田から離れると、その瞬間にドロッとした白濁液が垂れ落ちた。それを見た沖田は簡単に復活すると神楽を押し倒し、まだ自分の精液が残る膣穴に肉棒をねじ込んだ。

「こんなもんで済むわけねーだろ」

 すると神楽は沖田の胸を強めに押した。

「抜けヨ! 赤ちゃん、出来ちゃうアル!」

 だが、沖田は神楽の細い体を強く抱くと唇を塞いだ。神楽の膣がキュウキュウと鳴き、沖田を締め付ける。離したくないとでも言うように。だが、そこを一気に引き抜くとカリが引っかかり神楽が悩ましげな声を漏らす。

「誰が抜いて欲しいって? 離さねーのはテメーの方だろ? 神楽」

 すると神楽は恥ずかしそうに目を伏せて口に指を咥えた。

「……名前、知ってたのカヨ」

 その表情が沖田の胸の奥をくすぐると、もうジッとなんてしていられなかった。パコパコと腰を動かし、ひたすら腰を打ち付けた。

「もう……ぁッ……ああッ! イキたくないアルッ!」

「こんなもんで音をあげる気か?」

「でもッ……」

 二人は汗にまみれて本能のままに愛し合った。じきに来る別れにも気付かずに。

 

 その後、神楽と共に温泉で体を洗い、泥のように眠った。さすがに疲れたのだ。どれほど神楽に精液を搾取されただろうか。あんなに注げばそれこそ身籠ってもおかしくはない。そうなると神楽は嫁となる。そんな事を夢に見ながら沖田は朝を迎えた。

 

 

 爆音。地響きのような轟音に目が覚めると小屋の戸が叩かれた。

「おい! 総悟! 居るのか!?」

 どうやらようやく救助が来たようなのだ。沖田はシャツを羽織ると神楽にシーツを被せてからドアを開けた。

 

 沖田と神楽は二台のヘリコプターへと分かれて乗せられた。言葉を交わす事なく目だけで挨拶をすると、いよいよ互いの姿が見えなくなった。

 沖田は小さくなる島を見つめながら昨日までの数日間が夢だったように思えたのだ。あのチャイナ娘と肉欲に溺れたなど考えられないと。しかし、体に残る香りや熱が神楽を恋しく思わせる。 江戸に着いたら元の関係に戻れるのだろうか。いや、もう戻りたくない。そう思う自分が居るのだった。

 

2016/08/03