2016 Request

5年後神楽さん

銀時と神楽さんは付き合って1年

喧嘩中に神楽さんに看病の依頼(土方か桂)

心配で様子見に行く銀時

看病相手と神楽さんは以前付き合っていた

大喧嘩からの仲直り銀神エンド

R指定可能


障子の穴/銀神←土(リクエスト)

 

「またトイレ……!」

 銀時はソファーで横になって昼寝をしていたのだが、神楽に殴られて目を覚ました。

「あっ? なんだよ!」

「どうしていつもいつもいつも電気が付けっ放しなのよ!」

 神楽にこうして叱られるのはもう何度目だろうか。正式に交際を始めて一年経つが、日に日に叱られる回数が増えてきた気がする。これではまるで嫁のようなのだ。そう思って仁王立ちしている神楽を見ると《人妻》というイヤらしい単語が浮かんで顔がニヤけた。

「何笑ってんのよ!」

 あごに一撃を食らってしまった。

 こんな些細な喧嘩から神楽の不満が積もり積もってついに爆発するなど銀時は気付かずに過ごしているのだった。

 

 

 この日、銀時が居間で昼寝をしていると電話のベルがけたたましく鳴り響いた。

「おい、新八〜」

 そう叫ぶも返事は聞こえず、神楽も居ないようであった。銀時は仕方がなく電話に出るとあくびを噛み殺し返事をした。

「はい、万事屋銀ちゃんです」

 どうやら依頼のようであった。前金で銀行に振込みをしてくれるようで銀時は仕事内容とその他諸々をメモにとった。

「あ〜、はいはい。怪我人の身の回りの世話ですね。住所お願いできますか?」

 銀時は振込みが確認出来次第すぐに向かうと言って電話を切ろうとした。

「えっ? 神楽? 分かりました」

 銀時は神楽を指名され、その通り向かわせる約束をすると電話を切るのだった。

 その事を帰宅した神楽に銀時は伝えたのだが、まさかこんなにも叱られると思わなかったのだ。

「なんで危険だとか思わないわけ? だって女を寄越せだなんて……」

「お前なら大丈夫だって。それに場所は真選組屯所だ」

 人手が足りないのだろう。それで男よりはガサツとは言え神楽に来て欲しいらしい。自分の女とは言え従業員だ。嫉妬心を抱かないと言えば嘘になるが、これも仕事だ。しかも金はたんまり貰る。神楽を行かせない理由がない。しかし、神楽は銀時の決断に理解が出来ないと怒っていた。

「あんな男所帯に私を送り込むなんてどうかしてるでしょ!」

「男所帯なんて慣れてるだろ。それに真選組の連中なんて、お前の恐ろしさを身に沁みて分かってるだろう」

 神楽は何かを言いたそうな顔でこちらを見ていたが唇を噛んで黙り込んだ。一体何がそんな不安なのだろうか。銀時には全く分からなかった。

 

 その後、神楽は風呂に入り、やけに体のラインが出たチャイナドレスに着替えて良い匂いをさせていた。まるで着飾って男と飲みにでも行くかのようだ。銀時の奥歯に力が加わった。

「待てよ、神楽」

 玄関へと向かう神楽に銀時は手を伸ばすと腕を強く掴んだ。

「何アルカ?」

 近くで見れば怒った顔も美しく、胸の奥が痺れた。こんなに着飾った良い女が自分のものであるのだ。他の男の元へ向かわせる前に味わっておきたくなった。銀時は玄関先で神楽の腰を引いて抱き寄せた。

「なぁ、神楽」

 そう言ってキスをしようとしたが、神楽にかわされた。それがショックで脂汗が滲む。

「おい」

 だが、神楽は嫌だと言うように顔を横へ向けたままだ。この依頼を受けたことをまだ怒っているようなのだ。

「でも、お前だってそんなナリして……満更でもねーんだろ?」

「そんなわけないでしょ!」

 そう言ったかと思ったら神楽は突然ニヤリと笑った。

「ああ、そう言うことね。行って欲しくなくなったからそうやって言うんでしょ?」

「いや、行けよ。でも、キスくらい良いだろ」

 無理やりに神楽へキスをしようとして、銀時は平手でぶん殴られた。

「少しは私の気持ちを考えてよ! もう良い」

 神楽は大きな荷物を持ってそのまま出て行ってしまうと、銀時の口の中に苦味が広がった。いつもの喧嘩よりも深刻な状況。それだけはよく分かる。銀時は玄関先でうろうろとしていたがジッとはしていられないと、自分も屯所へ向かうのだった。

 

 

 神楽は屯所へ入ると、ある一室へと通された。敷地内は閑散とし、人手が足りないのはよく分かった。何か大きな事件があったらしく、人の出入りが激しい。銀時はそれに乗じて神楽が向かった先へ行くと人通りのない廊下に面している襖に穴を開けた。

 別に心配でついて来たわけではないのだ。神楽が自分以外の男に揺れ動く事はないと信じている。しかし、やはり先ほどの喧嘩のせいで不安ではある。銀時は息を潜めて中の様子を窺った。

「……それで何すれば良いわけ? 私を呼びつけて」

 神楽がそう言って大きな荷物を置くと、布団の上に体を起こした男が神楽に言った。

「俺が頼んだわけじゃねェ。それに看病なんざ大袈裟なんだよ」

 そう言ったのは真選組副長・土方であった。負傷しているらしくあちこちが包帯で巻かれていた。

「いつ退院したの?」

「今朝だ。もう良いからお前は帰れ」

 そう言って土方は横になったが、神楽はドンと数日分の荷物が入ったカバンを畳の上へ置いた。それを目にした銀時は神楽が泊まり込みで看病する事を今知ったのだった。

 あいつ、ついでに家出する気だな――――

 しかし、今飛び出て行けば神楽はきっと更に怒るハズだ。それに土方の前で神楽に振られたり、謝るハメになるのは御免だ。ここは耐えると神楽の様子を黙って見ていた。

 神楽は枕元に座ると水の入ったグラスを土方の口元に持って行った。銀時が酔っ払ってもこんな甲斐甲斐しく世話などしてくれたことがない。軽く苛立ちを覚えたが、金が貰えるのならばこれくらいはするのかも知れないと納得した。

「……でも、何で私を呼んだのよ。身の回りの世話なら他でも良いでしょ?」

 神楽がそう言って土方を見つめると土方も神楽を真っ直ぐ見つめた。

「だから俺が呼んだんじゃねェつってんだろ」

 だが、その目は神楽とこうして会えた事を喜んでいるように見えた。銀時の顔が強張っていく。

「じゃあ、誰かがトシの事を思って私を呼んだってこと? けど思ったより元気そうで安心したわ」

「安心? まるで気遣ってくれてるように聞こえるが……」

 二人はそこで会話を止めると黙り込んだ。銀時は二人の間に入り込めない空気を感じた。何故そんなものを感じるのか? 考えると手のひらに汗が滲んだ。

「怪我人に暴言吐くとでも思ってるの?」

「ンなこと言ってるわけじゃねぇ……そこの煙草取ってくれ」

 銀時は二人を取り巻く独特な雰囲気に胸の鼓動が速まった。良い気がしない。神楽の事を初めて《分からない》と思ったのだ。

「治ってからね。それに手もまともに上がらないでしょ?」

「頼む。一本だけだ!」

「……なんでそんなにイラついてんのよ」

 確かに土方は体の自由が利かず苛立ちを覚えるのだろうが、ストレス要因は本当にそれだけだろうか? 銀時には神楽の存在が大きく関わっているように思えた。二人の間に一体何があったのか。予感だけはしていた。

「ねぇ、お腹空かない? 食堂から何か持って来てあげるわ」

 神楽がそう言って立ち上がると土方が声で引き止めた。

「腹は減って無え」

 行くな、と言うことなのだろう。神楽は一瞬、泣き出しそうな表情を見せたがすぐに困った顔で笑うと土方の隣に座った。

「じゃあ、ちゃんと言って」

 神楽はそっと土方の手を握った。二人の視線が交わる。

「……まだテメェに未練がある」

 神楽は俯くと言った。

「知ってる……」

 すると土方は力なく笑った。

「なら、俺を苦しめる為に来たのか?」

「……なんでそんなこと言うのよ」

 神楽はそこで土方の手を離すと、悲しそうに揺れる瞳を見つめた。

「心配する気持ちは嘘じゃないわ。一度は愛した人なんだから……」

 この言葉に衝撃を受けたのは盗み聞きしていた銀時であった。神楽が土方に惚れていたなど知らなかったのだ。動揺が隠しきれず銀時は一旦その場を離れると、神楽を連れ帰ろうか悩んだ。いくら金が貰えるとは言え、惚れていた男に泊まり込みで看病させるなど自分との関係が破綻するかも知れないのだ。今この瞬間も二人っきりで何かをしていると思うと悔しさと歯痒さに胸が締め付けられた。

 乗り込むか――――――?

 銀時は再び破った障子の前へ戻ると中の様子を窺った。

「よく野郎が許したな? そんなカバン持って出ることを」

「銀ちゃんには言ってない。今日泊まる事も、あんたと付き合ってた事も……」

 第二の衝撃が銀時を襲った。ただ惚れていただけではなく、土方が元カレであったのだ。頭に嫌な映像が浮かび上がる。神楽と土方が二人で愛し合っている光景だ。自分が愛した身体も既に土方によって手垢がつけられていたのかと思うと……体が震えた。

「まさか、上手く行って無えのか?」

 その問いかけに神楽がわざとらしく笑った。

「そんなわけないじゃない。あんたは自分の体の事だけを心配してたら良いの」

「これは心配じゃ無え」

 土方の手が伸び、神楽の手に重ねられた。

「好機だと思ってなァ」

 神楽の頬が分かりやすく赤くなった所で銀時は障子戸に手を掛けた。だが、それを開けることが出来ずにただ怒りに似たような感情に身を震わせていた。土方はまだ神楽に未練があり、しかもこの機に奪おうとしているのだ。見過ごすわけにはいかない。

「ふざけないで。あんたとは上手く行かなかったでしょ……分かってる癖に」

 神楽のその発言に銀時は障子戸から手を外すと、今神楽が誰と付き合っているのかを再認識した。この自分なのだ。神楽は土方と終わりを迎え、銀時を選んだ。こんな所で盗み見て、動揺している自分を情けなく感じた。いくら元カレとは言え、いくら喧嘩中とは言え、何も起こらない。そう信じる事が出来なければ近い内に終わりが来てしまうような、そんな気さえしたのだ。銀時は覗くのを止めると万事屋へ帰ることにした。

 

 しかし、その数時間後には再び同じ障子の前に座って中を覗き込んでいた。

 風呂あがりの土方と同じように髪が濡れている神楽。銀時がいなかった間に一体何があったのか。それを知ろうにも時間は巻き戻ってはくれない。二人の会話から推測するしかないのだ。

「……体、痛んだ?」

 風呂あがりの上気した頬で神楽が言った。

「いや、あれくらいどうって事ねえよ」

 土方が神楽から視線を外しそう言えば、神楽がクスッと笑った。

「でもあんたのあんな姿、初めて見たわ」

 一体、何を見たと言うのか。風呂場でもしかするとこんな事があったのかもしれない。

 

 風呂場へと土方を運んだ神楽は、慣れた手つきで着ているものを脱がせた。そして、ゆっくりと全身の包帯を剥がしていく。体についた傷の数に神楽の目に動揺が見られるも、細い指でなぞって……そして口づけをした。癒すように優しく、ゆっくりと。そうして神楽もチャイナドレスを脱ぎ捨てると――――――いや、それはない。いくら喧嘩中でも神楽が浮気などと……しかし、風呂の面倒まで見てやったのは確かだろう。良い気分ではない。気付けば眉間に深いシワを作っていた。

「ところで、いつになったら煙草を返すつもりだ?」

「吸いたかったら早く治りなさいよ。それまでお預け」

 神楽はそう言いながら土方の隣に布団を敷くと、ほんの少しだけ距離を離した。だが、そのたかだか数センチになんの意味があるのか。胸が灼けるように熱い。

「なら、この口寂しさをどうしてくれんだ?」

 土方がそう言って布団の上に座った神楽を見ると、神楽は美しい横顔を無防備に見せていた。

「……飴でも舐めてたら?」

 銀時は神楽が今夜、手負いの狼と同じ部屋で眠る事を許したわけではない。それでも信じているのなら、部屋の灯りが消えたあと、知らないふりをして帰るべきなのだろう。そして神楽が万事屋に帰ってくるまでここに来てはいけないのだ。

 銀時は聞こえてはいけない声を聞く前に逃げるように万事屋へと戻った。何もないと信じているのだが、それでも不安になる気持ちは抑える事が出来なかった。

 

 

 あれから三日が過ぎて、死んだような気分にも慣れ始めた頃に神楽が帰って来た。デカいカバンと少しだけ疲れたような顔を引っさげて。

「ただいま……」

 それを居間のソファーから見上げていた銀時は、手に持っていた漫画雑誌を投げ出すと神楽に迫った。目をそらしどこか落ち着きがない。銀時は無言のまま神楽のチャイナドレスをめくり上げると、下着を腿の辺りまでずり下げた。神楽が軽く叫ぶ。

「急に何なのよ!」

 だが、気にしない。今は確かめたい事があるのだ。銀時は神楽を居間の戸に押し付けると、膝頭で神楽の股を開かせて手を滑り込ませた。

「やっ! ちょっと、待って!」

 神楽が嫌がって体を捩るも今の銀時は真剣で真面目だ。神楽の割れ目に指を沿わせると、奥の方までなぞった。そして、指に絡みつくいやらしい愛液に銀時の目が神楽を真っ直ぐに貫いた。

「何見て興奮したんだよ? あの野郎の下の世話までしたのか?」

 神楽が表情を強張らせていく。だが、そんなものは気にしないと銀時は神楽の膣内に指を入れて何かを掻き出した。しかし、神楽の中から出てくるのは男を求める甘い蜜だけであった。

「こんなこと、んッ、やめて!」

「そうは思って無えみたいだけど?」

 口では嫌がっている神楽だが、下では《もっと頂戴》と甘えてくる。真実が何であるかは分からなかったが、銀時の体も大いに反応していた。

「なぁ、神楽」

 銀時は神楽の膣内へと激しく指を出し入れさせた。そのせいでさすがに神楽も表情を崩すと、銀時の肩を力なく押した。

「やめてよ……」

「土方くんじゃ無えからか?」

 神楽は顔を真っ赤にさせると涙目でこちらを睨み付けた。どうして知ってるのかと言いたいのだろう。

「トシはっ、関係ないッ、でしょ」

「俺に初めて抱かれた時どう思ったよ? 土方くんと比べたのか?」

 神楽は悔しそうに下唇を噛み締めるも艶っぽい表情は隠しきれず、銀時を益々欲情させた。

「こんなに垂らしてよォ……まさかこれもあの野郎を思い出してるわけじゃねぇだろうな」

 神楽は《ふっ、うっ》と苦しそうな声を漏らし始めると銀時の体は熱くなり、腰の奥から衝動が湧き上がる。銀時は堪らずズボンのファスナーを下ろそうと――――神楽がひるがえり、銀時を思いっきり壁へと押し付けた。

「そんなに奪られたくないなら、どうして依頼なんて受けたのよ!」

 そうして神楽の拳が飛んで来ると、銀時の口の中が切れた。血の味がする。

「行くなって……一言で良かったのにどうして……」

 そう言った神楽は銀時の胸を叩いて涙を流した。胸の奥が冷えて行くのがわかる。今更後悔している。神楽の気持ちをいつも分かってあげられなかった。この依頼も神楽は最後まで嫌がり、銀時に引き留めて欲しがっていたのだ。それにもっと早く気付いてやれたら――――自分から神楽を差し出したも同然であった。もし向こうで何かあっても神楽を責めることは出来ない。そんな風に思った。もう終わりなのかもしれない。恋人と言う関係に甘え、愛しているにも関わらずないがしろにした。全ては身から出た錆。これ以上、神楽と一緒に居ても価値観の相違が埋まることはない。

「悪かったな」

 銀時はそう言って神楽から離れると神楽がもう一度殴り掛かって来た。その拳を避けると二人はもつれてソファーへと倒れ込んでしまった。

「なんで諦めるのよ! 私のこと好きなんでしょう!」

 こうして責める神楽は土方とこの数日間、何もなかったのだろうか。久々に出会って火がついて、体を重ねたりしなかっただろうか。

「トイレの電気、消し忘れんだよ。多分、この先も俺は忘れ続ける」

 銀時の体の下でこちらを向いてる神楽が哀しそうな目でこちらを見ていた。

「その度、お前に叱られて……お前も叱って……それで良いのかよ」

「屁理屈言ってんじゃないわよ」

 神楽は泣きながら銀時の首にしがみ付いた。

「どうしてちゃんと言ってくれないのッ!? じゃあ、もう良い。体に聞くから!」

 そう言って神楽はチャイナドレスを脱ぎ捨てた。そうして下着を投げ出すと銀時のズボンのベルトを外し、ファスナーを開けた。神楽の細い指が銀時のペニスを捕らえて引っ張り出す。その久々の感覚に気分まで神楽に引っ張られていく。神楽が足まで使って体にしがみ付くと、互いの性器が触れ合って神楽を欲しいと起き上がり始める。

「欲しいんでしょ? 私は銀ちゃんが欲しい。どんなにムカついても、銀ちゃんが私を愛してなくても」

 銀時はその言葉に神楽の情熱的な想いを知り、土方の存在だとかトイレの電気のことだとかどうでもよく感じた。着ているものを全て脱いで、二人して裸になれば神楽の中へと銀時は入っていった。

 

 体を結んで、言葉もなくただひたすら快楽に酔いしれて。体液が混ざり合って汗も肌を滑っては――――

「ぁッ、あぁッ!」

 神楽が体を仰け反らせた。銀時は神楽の乳頭を引っ張ると柔らかく豊満な乳房が形を変える。神楽の膣内からは次々に愛液が溢れ出し、神楽が快感を得ていることを知った。肉棒は締め付けられ、動けばすぐにでも暴発しそうだ。

「もう……イ、ク……」

 表情を崩して銀時がうめけば、神楽が苦しそうにソファーを引っ掻いた。

「ぁあッ! 銀ちゃんッ!」

 神楽から引き抜いて銀時は果てると、柔らかな胸の上にグッタリと倒れ込んだ。神楽の匂いが銀時を包み込み、そのせいか眠たくなってくる。だが、神楽はまだ熱い瞳でこちらを見ている。

「足りねーの?」

 すると神楽は銀時に熱い口づけをした。

「明日でも良い。明後日でも。だから……」

 その言葉に今度は銀時口づけをした。熱い舌を吸って、唇をついばんで。

「好きだから離れねぇよ」

 神楽を愛してるなら大切にしなければならないのだ。胡座かいて放っておいても神楽が傷つかないと思うなど傲慢だ。

「じゃあ、今頂戴。今度は後ろから欲しいんだけど……」

 神楽が照れくさそうに笑って銀時の胸板に柔らかな乳房を押し付けた。眠たい気分だったのだが、そのせいでもう少しだけ神楽と戯れていたいと思った。

「後ろから? 何だよそれ。どうしたんだよお前。スゲェ良いじゃねーか」

 ニヤリと笑った銀時はその言葉通りに四つ這いの神楽に被さると、ずっと彼女に溺れているのだった。

 

2016/08/18