※銀時×神楽さん(16歳以上)


異文化交流/銀神※

 

 昼下がりの公園。それは何気ない一言から始まった。

「ねぇ、神楽ちゃんって地球人と全部同じなの?」

 友人のその言葉の意味を理解できず、酢こんぶをかじっていた神楽は首を傾げた。

「全部って、何の話アルカ?」

 すると友人は神楽へと僅かに近付いて耳打ちしたのだ。

「体のことだよ」

 その言葉に神楽の頬が分かりやすく紅く染まると、忙しかった口を閉ざした。考えたこともないのだ。自分の体は至って普通だと、他のみんなと何一つ変わらないと信じ込み今日まで生きて来た。が、もしかすると本当は何もかも違うのかもしれない。言い知れぬ恐怖が身を包んだ。

「地球の男の人と結婚しようと思っても、体の作りが違うと赤ちゃんが出来ないかもしれないんでしょ?」

「えっ」

 神楽は突然の言葉にショックを受けた。考えてみると自分の父親も母親も夜兎族である。希少種族と言うこともあり夜兎族同士の婚姻が推奨されている、かどうかは知らないが、他の種族と結婚したと言う話は神楽の耳に入っていなかった。

「あっ、私もうすぐアルバイトの時間だから行くね」

 友人は神楽の気持ちなど全く何も気付いていないのか普段通りの笑顔でそう言うと、足早に公園から去って行った。残された神楽はと言うと、青い顔でただ遠くを見つめているのだった。

「私、もしかしてカラダ……おかしいアルカ?」

 色々と思い出してみる。お妙と何度か一緒に風呂に入っているが、まじまじと体を見たことはなく、ましてや体の奥深い所など自分のものすら見たことがなかった。ただ、最近やけに疼く時があり、何となく銀時が居ない寂しい夜などは下着の中に手を入れて、熱い秘部に触れてしまう時がある。それが頭の中をフワフワした気分にさせて、妙な気持を抱かせるのだが……もしかするとそれは夜兎族の自分の体だけに起こるものかも知れないと恥ずかしくなった。何よりも体の作り自体が地球人とは違うのかもしれないと恐怖を感じていた。

 他の人と比べて、確認したい。そんな思いが芽生えたが、だからと言って友人に見せてくれとは言えない。神楽は不安な気持を抱えたまま、とりあえず万事屋へ帰ることにした。

 

 帰れば万事屋は空っぽで誰もいなかった。神楽はそれに少し安心すると物置に入って手鏡を取り出した。見てみようと思ったのだ。自分の性器がどうなっているのかを。だが、見た所で比較するものがなければどうしようもない。神楽は何かいい方法がないかと頭を捻った。すると突然玄関のインターホンがなり、神楽は飛び上がった。

「だ、だれアルカ」

 慌てて玄関の戸を開けると、そこに居たのは魂にサングラスをかけた長谷川泰三であった。

「神楽ちゃん? あ~、マズいな」

 手に紙袋を提げている長谷川はバツの悪そうな顔をすると何も用件を言わずに帰えろうとした。

「オイ! 待てヨ! 何の用ネ」

 その声に立ち止まった長谷川だったが、何かを考えるような何とも言えない顔をすると頭をボリボリと掻いた。

「銀さん居ねーんだろ? また出直してくるからいいよ」

 多分、長谷川の持つ紙袋が用件だろう。さては、何か美味いものでも持ってきたなと、神楽は無理やり長谷川から紙袋を奪った。

「駄目だ! コラ! 返せよ!」

 そう言う長谷川を簡単にねじ伏せると神楽は紙袋を抱えて戸を閉めた。

「あとは私がどうにかしてやるから気にすんナ!」

 そう言って室内へと戻った神楽に長谷川は叫んだ。

「俺はもう知らねーからなァァア!」

 その言葉の意味など何も知らない神楽は居間へと向かうと、テーブルの上に紙袋に入っていたお菓子の箱と思わしきものを取り出した。

「えっ、何ダヨ、これ……」

 しかし、テーブルの上に現れたのはお菓子などとは程遠い、裸の女が載っている何かのパッケージであった。裏を見れば何やら悶絶しているような表情で――――これは長谷川が銀時に貸す為に持って来たアダルティーなDVDだったのだ。

「あいつ、こんなんが趣味だったアルカ?」

 神楽の顔が真っ赤に染まる。しかし、すぐに怖い顔になるとDVDをへし折ろうとした。

「銀ちゃん、これ見るつもりネ! 何考えてるアルカ! あのエロ天パ!」

 しかし、折ろうとしてある事に気が付いた。パッケージに写る女の裸がハッキリくっきりと見えているのだ。もちろんこの女は地球人だろう。と言うことはこのDVDを見れば、他人の性器を知ることが出来ると思ったのだ。神楽は時計を見た。まだ夕方前で、どうせ銀時はパチンコ屋にいて夜まで戻らない。観るなら今しかないと、神楽はDVDを中古のプレーヤーへと挿入するのだった。

 

 予想は的中。『無修正』の文字は読めないが、テレビに映る女は丸裸をこちらに見せていた。小さく突起した部分から尻にかけて割れ目があり、その中へ男の節くれだった指が突っ込まれている。それが出たり入ったりと動くたびに女は妙な声をあげて、男の指がテラテラと光っていた。神楽はテレビの真ん前で正座をし、食い入るように見つめては頬を紅く染めていた。まだ自分のものは確認していない。同じ作りになっているのかは、鏡がなければ見ることが出来なかった。物置に置いたままの手鏡を取って来ようと立ち上がると――――体の奥底から何かが下腹部にとろりと溢れたことに気が付いた。思わず股間を押さえた神楽は、自分もあの女のように割れ目から液体が流れ出たのではないかと驚いた。立ち上がり、真っ赤なチャイナドレスのスリットから手を差し入れると下着の越しに熱い中心を撫でてみた。

「……うそっ」

 オシッコでも漏らしてしまったかのようにじっとりと濡れているのだ。指にじわりと水分が触れる。何度か下着の中に手を差し入れたことはあるが、いつもは軽く湿るくらいでこれ程までに水分が溢れた経験はない。こんな事になるのは初めてで、神楽は自分の体の異変に胸の動悸を速めた。テレビを見れば女は男と口づけをしながら、二本の指を性器の中へと入れられていた。その指が奥を揺さぶるように小刻みに動けば、女の割れ目から液体が噴き出したのだ。

『ぃ、い……いぐッッッ!』

 その表情は恍惚と言ったもので、神楽はいつの間にか下着の上からクリトリスを触り、呼吸を速めていた。先ほどから体が火照って堪らないのだ。もしかして動物のように発情期を迎えてしまったのだろうか。神楽は止まらない指と愛液に戸惑いながらも、しっかりと悦びを感じはじめていた。もはや性器の形などどうでもよくなっていた。今はただ自分もテレビの女のようにはしたない声を上げて、快楽に溺れてみたいと思ったのだ。神楽はついに下着の中へ手を差し入れると、トロトロに溢れている割れ目へと指を沈ませた。そしてもう片方の手は、ここ数年でパンパンに膨らんだ乳房へと伸ばしたのだ。先ほどからこちらも先っぽがジンジンとしていて、手で撫で回したくなっていた。左手で乳房を揉み、右手は下着の中。神楽は目を閉じて体の望むポイントを探り当てるように指を沈ませた。まだ一度も受け入れたことのない膣穴。だが、早熟なそこは知っていた。初めて指を招き入れたと言うのに吸い付いてくるのだ。思わず神楽は下唇を噛むと色っぽい声を上げた。

「……あっ、ん」

 その時だった。ガタっと背後で音がして、とろけきった顔のまま神楽は振り向いた。

「いや、俺は……何も見てねーから」

 いつからそこに居たのか、居間の戸の隙間から目だけを出した銀時はそう言って戸を閉めた。一気に熱の冷めた神楽は絶叫すると、玄関に向かった銀時を追いかけた。

「ち、違うアル! こ、これは違うネ!」

玄関で銀時に追いついた神楽は真っ赤な顔と涙目で銀時の両肩を掴むと戸へ押さえつけた。

「あ、ああ……うぐっ、違うアル」

 銀時の顔もいつになく赤く、互いに気まずい事は見て取れた。だが、銀時の方が僅かに余裕があるのか伏せ目のままこう言った。

「まぁ、誰しもが通る道だ……気にすんな……」

 神楽はその言葉に瞬きを繰り返すと、小さく弱々しい声で言った。

「ほ、本当アルカ?」

「お、おう」

 目と目が合うとやはりまだ恥ずかしく、神楽は銀時から離れると下を向いた。誰しもが通る道だとフォローされたが、実際の動機は『自分の性器が地球人と同じかどうか確かめたかった』と言うことで『性に興味が出た』とは少し違うのだ。そこだけはどうしても否定しておきたいと、神楽は腿辺りのチャイナドレスを掴んで銀時を見ずに言ったのだ。

「……地球人の体と私の体が同じか、どうしても確かめたかったアル」

 すると玄関の戸に背中をつけていた銀時がゆっくりこちらへ近付いた。そしてボリボリと首を掻く音が聞こえると、頭に声が降って来た。

「誰かに何か言われたのか?」

 神楽は頷いた。すると銀時の大きな手が神楽の頭を包むように撫でた。

「なーに、心配いらねぇよ。お前の体は地球人と同じだから。悩むことなんかねーよ」

 神楽はその言葉に安心すると手の甲で涙を拭った。銀時はと言うと神楽を追い越して先に居間へと向かって行った。

「なんだ、私のカラダ……何も変じゃなかったアルカ。良かった……」

 しかし、そこで神楽はハッとして顔を上げると居間の方を向いた。何故、銀時は夜兎の体と地球人の体が同じであると知っていたのか。神楽はまさかと目を見開くと銀時の元へ飛んで行くのだった。

 

 勢いよく戸を開けた神楽は、DVDをパッケージにしまっている銀時に迫った。

「なんで違いを知ってるアルカ!」

 明らかに神楽は疑いの目を銀時に向けた。まさかとは思うが眠っている神楽に――――だが、銀時は僅かに頬を赤らめるだけで焦ってなどいなかった。

「なに? お前。銀さんを疑ってんのか? 言っとくけど俺は辰馬に聞いただけだ」

 神楽はジロリと銀時を見るとその発言が嘘かどうかを判断した。特に乱れることのない呼吸と泳がない目。きっとこれは本当である。神楽は疑ってしまったことを反省した。しかし、自分の体が普通であると言う確証は得られなかったと、どうも気分はスッキリしなかった。まだ眉間からシワは取れない。それに銀時も気付いたのか少々困惑気味にこちらを見ていた。

「何だよ」

 神楽は考えた。こうなったらやはり誰かに確かめてもらうのが最善であると。しかし、誰に頼めばいいのか……どうせ先ほど恥ずかしい場面を見られてしまったのなら、もう勢いに乗って銀時に頼んでみるか。神楽はとんでもない提案をしたのだった。

「銀ちゃん、女の人のカラダ知ってるアルナ?」

 銀時の目が泳ぐ。

「んまぁ、知らねーってことも無えけど」

「じゃあ、確かめてヨ……私が……その……フツーかどうか……」

 しばしの沈黙が流れる。だが、神楽は本気だ。冗談で言っているわけではない。銀時にもそれはきっと伝わっているはずで――――だからこそ銀時も悩んでいるように見えた。銀時の重い口が開く。

「見るのは別に構わねぇけど……お前は良いのか? それで」

 腹はくくったつもりだ。神楽は頷いた。

「……あとで文句だけは言うなよ」

 銀時は仕方がないと言ったふうにそう言うと、風呂に入ると言ってしばらく浴室から出て来なかった。

 

 

 畳の上に敷かれた一組の布団。洗いたての下着とミニ丈のチャイナドレスに身を包んだ神楽は、顔を真っ赤にして正座をしていた。向かいに座るのは銀時だ。

「だから、その格好じゃ見れねーだろ? 仰向けに寝て、両脚を抱えろって」

「む、無理アル」

 もう三回はこのやり取りをしている。いざとなったらやはり恥ずかしさが勝り、動けないのだ。

「じゃあ、もうやめようぜ。俺も飲みに行きてぇし」

 銀時はほとほと困ったとクセの強い髪を掻いた。神楽としても困っているのだ。言い出した以上、後にはひけない。だが、他に方法も考えつかずにどうすれば良いかと悩んでいた。この恥ずかしさをせめて和らげることが出来ればと――――

「じゃあ、こうするアル。見て確かめるのはやめて、触って……」

 神楽は自分の発言の異常さに銀時の顔を見て気が付いた。

「さ、触るのはさすがにマズいんじゃねーの?」

「そ、そうアルナ」

 いくら銀時を慕っていて、共に生活しているとは言っても触るなど……恋人でもないのにおかしいのだ。それに銀時だって惚れている女性以外の体を触ることなど望んでいないだろう。ならばどうするか。もう諦めるしかないような気がしていた。そうしてこのまま初めて恋人ができ、そのカレシに体を見せて『うわー……』と言われ、振られる未来が浮かんでしまった。

「やっぱり駄目ネ!」

 神楽はこうなったら手や目以外の方法で確認してもらおうと、ぶっ飛んだ考えに行き着いた。神楽は脚を崩すと正面に座っている銀時の体を軽く押した。

「は? なに?」

「仰向けで寝てヨ」

 言われるがまま仰向けに寝転んだ銀時に、神楽は更にこう言った。

「ズボンとパンツを脱ぐアル」

 これには銀時もさすがに半身を起こすと怒った。

「ばっ、バカヤロー! 何考えてんだよ!」

「違うアル!」

 神楽は否定した。銀時の考えているような事にはならないと。

「私はもう覚悟決めたアル。でも、手とか目とかだと……なんかちょっと私だけ恥ずかしいし……だから、銀ちゃんも私と同じ場所で地球人と同じか確認してヨ」

 そう言って神楽は小さなパンツを脱いで傍に置くと、寝転がる銀時のズボンに手をかけた。

「いや、見せたくねーし」

 すると神楽は自分の目に手拭いを当てて頭の後ろで結ぶと、銀時にも手拭いを渡した。

「お互いに見ないアル。だけど、銀ちゃんの先ちょに引っ付けるから、それで判断してヨ」

 つまり寝転がる銀時の股間に跨がり、神楽は性器を擦りつけようと考えたのだ。こうすれば見ることもなく、触ることもなく、同じかどうか感触で判るのではないかと思った。

「……あのなァ」

 銀時の呆れたような声が聞こえる。だが、布の擦れる音も聞こえ、銀時がズボンもパンツも脱いだことが窺えた。

「言っとくけど、そんなに敏感でもねーし! 手で確認するより時間が掛かるからな」

「そうアルカ、わかったネ」

 呼吸する度に痺れるように胸が震え、何かを期待している自分がいた。神楽は手探りで銀時の上に跨がると、ゆっくりと腰を下ろして――――――性器と性器を引っ付けた。

「……ん?」

 そんな声が聞こえて来て神楽の顔が僅かに強張る。何か違うのだろうか? 不安が一気に押し寄せた。

「な、なにアルカ?」

「いや、お前……濡れてるから」

 確かに先ほどから神楽の割れ目からは、とめどなく愛液が流れていた。

「フツーじゃないアルカ?」

 恐々と神楽が聞けば、銀時はああと呟いた。

「でも、まだ分かんねーから。とりあえず神楽、ちょっと擦りつける感じで動けよ」

「わ、分かった。やってみるネ」

 神楽は言われた通りに膝を敷布団につけて膝立ちのような姿勢になると、性器を擦りつけた。ぬるりと銀時の性器の上を滑る。くすぐったいような、気持ちがいいような。前後に動いて擦りつけることでクリトリスが刺激され、神楽の呼吸が軽く乱れた。目隠しをしているせいか感覚が研ぎ澄まされているようで、受ける刺激がいつもの倍の大きさだ。

「神楽?」

 銀時の声が妙に耳に残り、不思議な空気に包まれた。

「なに、アルカ?」

「いや、別に」

「それで、私はどうネ?」

 銀時に擦り付けてからもう数分が経った。さすがに何か判別出来たのではないだろうかと思い神楽は動きを止めると、自分の下の銀時が大きさを変えていることに気が付いた。さすがにどういう理由でこうなるのかは知っている。神楽は自分の性器の下にある銀時のそれを指でつついてみせた。その瞬間、びくんとそれは跳ね上がり、更に大きさを増した。

「な、なんでヨ」

「仕方ねぇだろ。誰だって刺激されりゃこうなんの!」

 分かっている。分かってはいるが、自分の下で興奮している銀時に気持ちが落ち着かない。それを考えると神楽の体も艶っぽさを増し、更に愛液が滴り落ちた。

「……んっ、はぁはぁ、はぁ」

 緊張も恥ずかしさもだいぶ和らぎ、そのせいか余裕が出てきたらしく、擦れる度に頭がフワフワするのだ。気持ちの良いところを刺激するように硬い銀時の性器に擦り付けた。こなれてきた腰の動き。それはとても艶めかしく、男の欲情を煽るものであった。

「神楽……これ、持って」

 そう言って神楽は銀時に短いチャイナドレスの裾を握らされると、剥き出しになった下腹部に冷たい空気が当たった。そのせいか益々熱く感じる銀時の体。神楽それに触れて腰を動かしていると錯覚してしまいそうであった。自分は先ほど見たDVDの女優になってしまったのではないかと。暗い視界に映像が浮かび上がる。男優に身体中を弄られ、恍惚の表情を浮かべ、はしたない声を上げていた女優の姿が。それが今の自分と重なるのだ。擦るだけでこんなに気持ちが良いのなら、触られるとどれ程気持ちが良いのだろう……。神楽の喉がゴクリとなった。

「股開いて」

 銀時の声が聞こえる。だが、銀時も息が上がっている。神楽に擦り付けられ感じているのだろう。そう思うと更に神楽の体は熱く敏感になった。

 股を開くなど本来なら恥ずかしいのだが、今は互いに目隠しをしている。どうせ見えていないのだからと、神楽はM字のように膝を曲げたまま股を開いた。そして、男根を股間に押し付けると腰を前に押し出すように動かした。

「はぁ、はぁ……神楽……」

 銀時のモノが更に硬さと大きさを増し、荒い呼吸まで耳に入る。

「ぎ、ちゃん……ど、どう、アルカ?」

 もうここまですれば神楽の体が地球人と比べてどうなのか判るだろう。すると銀時は力のない声で答えた。

「色々と……ヤベーわ……」

「そんなこと、聞いてるわけじゃ、んっ、ないネ!」

 神楽は思わずバランスを崩すと銀時の胸に倒れ込んだ。そこで目隠しが外れてしまい――――快感に飲まれている銀時の顔と目が合った。

「え? 銀ちゃん……えっ! 目隠しはッ!?」

「いや、だってお前、見たいだろ? フツー」

「そ、そそそれでどうだったアルカ!」

 顔を真っ赤にした神楽がそう言って銀時に迫ると、神楽の割れ目に銀時の亀頭が引っ付いた。

「銀ちゃん!」

「……危ねえ」

 キスすらまだ経験がないと言うのに入ってしまったら大変だ。神楽は慌てて体を起こそうとして――――後頭部を押し込まれた。銀時にキスをされてしまったのだ。唇を軽くついばまれ、神楽は驚いて顔を離すと何かを言いたそうな銀時がそこにいた。

「悪い、神楽」

 確かにそんな雰囲気になってもおかしくはない状況だ。今も神楽の割れ目に銀時の亀頭が引っ付いている。普通では考えられないだろう。神楽はもう終わりにしなければと銀時に尋ねた。

「言ってヨ、私のカラダどうアルカ?」

 すると、銀時の両手が神楽の胸へと伸びた。

「まだ、ここ見て無えんだけど」

 神楽も自分で気付いていた。乳房に関しては特に他の人特に違うと言うことはないと。それを知りながらもこんな言葉を口にする。

「見せないと駄目アルカ?」

「当たり前だろ」

 そう言った銀時はチャイナドレスの上からでも分かるほどに勃起している乳首を摘んだ。

「んっ、ふぅんッ!」

 頭が痺れるような快感が体を包む。またしても体は疼き、腰が自然に動いてしまう。神楽は体を起こすと銀時の肉棒に擦り付けながら、チャイナドレスを脱ぎ捨てた。それと同じタイミングで銀時もシャツを脱ぐと……もう二人は言い逃れの出来ない所まで来てしまったようだ。

 神楽のパンパンに張った形の良い乳房が早く触ってと言わんばかりに主張している。神楽本人にはそんなつもりはないのだが、銀時の手が伸びて神楽の乳房にイタズラした。初めて男の手が触れる。優しくない触り方。意地悪く乳首を摘まれていると言うのに体は悦んでいるのだ。

「なんでこんなに乳首固くしてんだよ、なぁ」

 神楽は身をよじるように腰を動かすと、それまで我慢していた声を漏らして啼き始めた。

「ハァ、んッ……あッ……」

 下からこちらを見ている銀時も時折、表情を崩す。それは破裂しそうなほどに膨らんだ亀頭を見れば、理由など聞くまでもない。

「もう、んくッ、いやアル!」

 神楽は強い刺激に耐え切れず再び前のめりに倒れると、銀時がまた唇を塞いだ。

「だ、駄目アル……」

 そう言って一度顔を離した神楽だったが、身体中どこを探しても銀時に触れられて気持ち良くない場所などなかった。全てに触れられたい。言葉とは裏腹に吸い寄せられる体が嘘を隠せなくなっていた。舌を唇から軽く出すると二人で擦り合わせた。唾液が混ざり合って、熱で溶けて――――

「ん、ちゅるッ……」

 初めてのキスだと言うのにまるでやり方を知っていたかのように神楽は銀時と激しい口づけを交わした。すると急に銀時の両手が尻へと伸び、尻の肉が掴まれて外側へ開かれた。お陰で神楽の割れ目がパックリと開いてしまった。今まで閉じていた敏感なところに少し冷たい空気が触れ、強い刺激となる。

「んふッ、んッ」

 またしても神楽の膣穴からはだらしなく愛液が流れ、ポタリ、ポタリと下へ落ちる。今すぐにでも何かを奥深くまで咥えさせて欲しいとでも言うように。だが、そんなことをしてはいけないのだ。神楽は力の入らない体をどうにか起こすと、ヌルヌルになっている銀時の肉棒を尻で挟むように擦った。

「あっ、それ、マズいわ……ちょ、神楽?」

「どう、しよう……ふっ、んッ、銀ちゃん」

 ぐちゅぐちゅと激しく卑猥な音が鳴り、神楽の股間から銀時の亀頭が僅かに覗く。

「そんなに、動かすと……マジ入るだろッ……」

「だったら、早く、んッ、言ってヨ」

 銀時が神楽のカラダについて何も言わないからこうなっているのだ。神楽は乳房を揺らしながら、とろけそうな表情で銀時を急かした。このままでは神楽も我を忘れてしまいそうなのだ。

「はやっ、く! 銀ちゃ……んッ」

 神楽の腰振りのせいで銀時の肉棒は徐々に徐々に姿を消していく。神楽の中へ入ろうと本能のままに沈み始める。

「か、ぐら。マズいだろ……」

「ぁッ、んッ、はあ……ぎん、ちゃん」

 銀時の顔も激しく歪み、神楽ももう泣き出しそうだ。互いの高い体温と混ざった体臭。それが本能を刺激すると自然に二人の手のひらは合わさり、指と指が絡まった。

「はぁ……この感じだと……はぁ、マズい」

「どう、マズいネ?」

 すると銀時は神楽の割れ目へ股間を押し付けるように腰を突き上げた。

「いや、もう……絶対孕ませるって」

 その言葉に神楽の子宮がキュンと疼いた。

「に、妊娠しちゃうアルカ?」

 神楽としては地球人と結婚しても子供が出来ないことが何よりもの不安であった。むしろ身籠ることを望んでいるのだ。神楽は腰をグリグリと動かすと、誘い入れるように腰を押し付けた。

「はぁ、はぁ、我慢できねぇの? お前もお前で……今にも孕みそうな顔してんだけど……」

 銀時の顔はすでに惚けており、息も上がっている。そんな銀時に見つめられ、神楽もとろけただらしない顔をしていたのだ。

 疼く体に我慢ができなくなっている神楽は、愛液を潤滑油にして銀時の肉棒に強くクリトリスを擦り付けた。グチョグチョと音が立ち、それに合わせて神楽のパンパンに張った乳房も揺れる。

「あぁ! もう! 神楽ァ!」

 銀時の肉棒が神楽の中へ入りたいとヨダレを垂らし熱くなる。

「んっ、やあっ、入っちゃっうアル! 銀ちゃん!」

 銀時も我慢の限界らしく神楽の濡れている膣穴へと亀頭を埋めようとしていた。

「お前が動くからだろ!」

「擦ってる……んっ、だけネ……」

 神楽も銀時も、既に当初の目的を見失っていた。想像以上の快感に何処にでも居るただの雄と雌に成り下がったのだ。理性などもうほんの一欠片しか残ってはいなかった。

 神楽の中へ入ろうと銀時が熱くそそり立つ男根に手を添える。

「えっ、ダメアル!」

「さ、触ってるだけだから」

 見え透いた嘘。それでも神楽は信じてあげた。

「そう、そうアルナ……」

「神楽、こっち来て」

 前のめりに倒れた神楽は銀時に抱きしめられると、二人は深く交わる口づけをした。銀時の舌が神楽の中へと入り、神楽もそれに応えようと舌を絡める。愛しい気持ちが溢れてくるような情熱的な口づけ。

「んふっ、んっ……」

 しかし、神楽はこのままでは本当に取り返しがつかなくなると銀時から口唇を離した。だが、それすら許さないと言うように銀時が神楽の頭を押し込める。

「な、なんでヨ」

「嫌か?」

 神楽は耳まで真っ赤に染めた。嫌な気など少しもないのだ。本心を言えばこのまま取り返しがつかなくなってしまえば良いと思っている。キスも続けたいし、もっと言えば――――――次の瞬間、銀時の亀頭が神楽の中へ僅かに差し込まれてしまった。

「あっ、ダメ、あっ! 銀ちゃん! 入ってるヨ!」

 涙目で怒りながらそう言うも、銀時を咥え込もうと必死の膣穴では、説得力など皆無であった。今はもう二人の関係だとか、銀時への想いだとか、そう言ったことはもう考えられない。思考は停止し始め、肉体も無抵抗だ。ミシミシとこじ開けるように挿入される肉棒が気持ちよくて堪らないのだ。それでも言葉だけでも抗おうと、銀時の胸に倒れ込んでいる神楽はだらしなくヨダレを垂らしながら言った。

「いっ! んぐッ、おちんちん、抜いてヨ!」

 しかし、銀時は神楽を強く抱きしめ唾液を舌で絡めとると、そのまま口を塞いで一気に腰を突き上げたのだ。神楽の中へ熱く勃起した男性器がズルっと簡単に入っていく。神楽の体が軽く仰け反った。そしてすぐに脱力。全く力が入らないのだ。強く抱きしめられたままの神楽は下から激しく肉棒を何度も何度も突き刺された。その度に意識が飛び、自分が自分でなくなるような感覚に襲われる。

「こわれひゃう!」

「良いって、壊れろよ」

 神楽は銀時の口唇を吸いながら、抵抗もせずに快楽を味わった。次々に溢れ出す蜜が肉棒に絡まり、卑猥な音を響かせる。

「あっ、神楽、はぁ、一回射精(だ)して良いか?」

 銀時の表情は今まで見た中で一番締まりがなく、しかし神楽を興奮させるものであった。

「どこに、出すアルカ?」

「どこって……」

 銀時の顔にいやらしい笑みが浮かぶ。しかし余裕があるのかと言えばそうでもないらしく、額に滲む汗が限界を知らせていた。

「んなもん、神楽ちゃんの中に決まってんだろ」

 否応なく銀時はすぐさま神楽の細い腰を掴むと下から突き上げた。神楽の子宮が激しく揺さぶられる。

「あんッ、はぁッ……おかしくなっちゃうネ……」

 銀時の腰は止まらない。激しく素早く神楽を下から突き上げ続ける。そのせいで神楽の乳房も跳ねるように揺れる。銀時は堪らないのか体を起こすと、二人の体位は対面座位へと変わった。抱き合って唇を押し付けながら揺れる体。しかし、すぐに体は離れると銀時が言った。

「神楽、後ろに手ついて」

 言われるがまま神楽は後手をつくと前に出た腰のせいで、膣穴に肉棒が出入りしているのが丸見えになった。

「分かるか……はぁ、はぁ……俺ら、セックスしてんだよ」

「……わかるアル」

 神楽は泣き出しそうな声で小さく呟くと、体を後ろに押し倒されてしまった。神楽に覆い被さる銀時。こちらを見下ろす顔はただの男だ。余裕のない少し情けない表情。そんな銀時の手が神楽の乳首へと手が伸びてきて、軽く摘まれた。

「あ、っ、 んんッ!」

 神楽の体が軽く仰け反り、腰が更に深く繋がる。電撃を受けたような痺れが体中を駆け巡った。

「膣締まったんだけど、気持ち良いの?」

 神楽はただイヤイヤと聞き分けの悪い子供のように頭を振っていた。快感に飲まれてしまいそうなのだ。銀時が突く度に意識が遠退きわけが分からなくなる。

「じゃあ、これは?」

 そう言って銀時は神楽の乳首にしゃぶりつくと、腰を密着させて更に奥深くまで挿し込んだ。そこからはもう何が何だか分からず、銀時にしがみつきながら快感に身を任せた。

「銀ちゃん!」

 泣き声のような声で銀時を呼べば、銀時も囁くように神楽を呼んだ。

「神楽……」

 体の揺れるリズムがどんどんスピードを上げて加速すると、神楽は目に涙をいっぱいに溜めながら下唇を噛み締めた。

「ああっ! んッ、ふんっ!」

「……イク」

 その瞬間、神楽の中の肉棒が固く大きく膨れ上がり、そして暴発した。どさりと銀時が神楽に覆い被さると、すぐに二人の口唇は重なった。乱される神楽の長い髪。銀時は神楽の中から一度も出ることなく再び腰を打ち始めたのだ。ドロドロに溶けて重なる体はもう二度と離れることが出来ないと言ったふうで、神楽は何もかもを忘れて熱に溺れた。

 

 

 気付けばもう窓の外も暗く、神楽の中からも白濁色の液体が溢れ出ていた。それでも止まらない銀時に神楽は獣のように背後から犯されていた。犬のように両膝をついて頭は伏せ、尻を高く上げながら乱暴に性器を突かれる。

銀時は神楽の尻を掴むと額から汗を落としながら言った。

「お前の体……どうなってんだよ……あー……また……」

 銀時は神楽の中へ何度目かの射精をすると、後ろから覆いかぶさるように倒れた。そして神楽の両乳房を鷲掴むと背中に舌を這わせた。

「腰が止まんねーんだけど……」

 その言葉に神楽は浅い呼吸のまま答えた。

「じゃあ、まだするアルカ?」

「いや、さすがに眠い……疲れたわ」

 布団の上に転がった銀時がようやく神楽の中から這い出ると、二人は向かい合って寝そべった。

「結局、私の体どうだったアルカ?」

 すると銀時は目を瞑ったまま神楽を抱き寄せた。

「一回抱いたくらいじゃ、わかんねーつうか……」

 神楽は信じられないと銀時の顎に頭突きした。

「これだけ射精して、わかんない言うアルカ?」

「お前知らねーの? その日の体調とか色々あんだろ? だから、これからは定期的に……」

「ふーん、そんなに私の体が良かったアルカ?」

 すると銀時が片目を開けて神楽を見た。

「正直、もうお前を誰にも渡したくないくらいには、まぁ良かったけど」

 神楽は頬を赤く染めるも銀時の顎に再び頭突きをした。

「そこはハッキリ言い切れヨ!」

 そう言って神楽は銀時に軽いキスをすると胸に頬を寄せた。

「責任取れヨ、おちんちんの汁、いっぱい中に出したんだから」

 すると銀時が飛び起きた。そしてどこか不気味な笑顔で神楽に迫る。

「な、なにアルカ?」

「……神楽ちゃん、今のはけっこー腰に来たんだけど」

 どうも神楽の発言で再び銀時は勃ちあがってしまったらしい。

「責任? んなもん、当たり前だろ。だから受精するまで中で……えっと何を出すって? 神楽ちゃん、もう一回言って!」

「いやアル! こっち来んなヨ!」

 布団の上でじゃれる神楽は、もう生まれた星の違いなどどうでも良いと思っていた。こんなに銀時が夢中になっているのだ。こんな事にならなければ気付く事はなかったが、どうやら神楽の体はその辺りの地球人と違い、銀時を虜にするものだった。

 

2016/03/07