2015 Request
原作で銀神
銀時が仕事で何日か出掛けていて、その離れていた反動で理性がなくなる
R18

惰性を飲み干せば/銀神(リクエスト)


 万事屋の仕事と言っても、基本的に社長である銀時が一人で請け負うことが多かった。新八や神楽にも出来る内容であれば頼むのだが、よく分からない組織の依頼などは誰にも言わずにひっそりと遂行するのだ。今回の依頼もその類であった。しかし、通常ならばどんなに帰れないと言っても、最長10日程だ。10日もあれば片が付き、後処理なども余裕で出来る。だが、万事屋の玄関に立った銀時は既に20日は家を空けていた。衣食住には困らない仕事ではあったのだが、自宅に帰れないのはいくら報酬が良いと言ってもキツいものがある。必要最小限の会話に、休まることのない睡眠、そして刀を振り続ける日々。いくら相手が《悪人》であったとしても、人を斬ることに慣れやしなかった。心を失って…………失ったふりをして生きていた頃なら、大して辛さも感じなかったのだが今は違う。新八や神楽に出会い、銀時はすっかりその心・魂を取り戻していたのだ。お陰で荒む。

 20日ぶりに戸を開けて家に足を踏み入れる。しばらく家を開けていると、普段なら神楽が飛んでくるのだが、今日は既に時刻は午前2時を回っていた。さすがに眠っているらしい。銀時はブーツを脱いで居間へ向かうと、真っ暗な部屋の灯りを着けた。

 白熱色に照らされ浮かび上がるソファーの上の人影。それがパジャマに身を包んだ神楽であることを銀時はすぐに理解が出来なかった。ゆっくりと徐々に理解していった。1分近くかかってようやく死んだ魚のような濁った目に、穏やかな寝息を立てる少女が映ったのだ。

「……は、ハハ。なんだよ神楽ちゃん。銀さんのこと、待っててくれたのかよ」

 気の抜けたような笑い方で銀時は神楽の傍らにしゃがみ込むと、髪を撫で付けた。

「健気だねえ」

 どうしようもなく疲れているのだが、疲れすぎているからか眠くない。銀時は寝ている神楽を無理矢理に引き寄せると、酔ってもいないが猫でも抱くように胸にしまい込んだ。

「んんっ…………」

 すると神楽が薄っすらと目を開けて、こちらをぼんやりと見つめていた。銀時はそんな神楽に半笑いの顔を見せると、嫌がられるのも承知で薄い胸に頬を寄せた。

「なぁ、神楽。布団に連れてっていいか?」

「えっ、銀ちゃん……?」

 まだ意識がはっきりしていないのか神楽はまた目を閉じると、コクンと小さく頷いた。きっと銀時の言ったことを理解はしていないだろう。寝息が聞こえてきた。それを見た銀時は寝室に布団を敷いてくると、そこへ神楽を運ぶのだった。


 仰向けに神楽を寝かせると、銀時もこれが夢か現実か、曖昧な意識の中で神楽を抱きしめた。普段はこうじゃない。いくら弱っていても実際に抱きしめることはしないのだ。だが、今回だけはこうでもしないと、生きることに対する執着が生まれないのだ。弱ってはいないのだろうが、ひどく辛いのだ。

「神楽、悪い…………」

 銀時は虚ろな目でそう口にすると、神楽の体を足で挟み込んで股間を押し付けた。こんなにも辛い状況なのは、体が悪いものを溜め込んでいるせいだろう。銀時は無意識にそんな事を考えると、思っているままに体を動かした。薄いパジャマ越しに伝わってくる神楽の熱、そして柔らかな腿。それが股間にぶつかると、銀時はすぐに固く膨張させた。

 だが、こうしてただ擦っているだけで満足するほど若くもない。銀時は神楽の体を横に寝かせると、背中をこちらに向けさせた。

「今日だけだから、な?」

 銀時は穿いているズボンと下着を僅かに下げると、熱く腫れている性器を取り出した。そして神楽の背中に体を密着させると、大人しく眠っている神楽の右手をとった。自分のものよりずっと小さく幼い手。それを汚してはいけないと頭では分かっているのだが、銀時は股間へと誘った。神楽の無防備な手が銀時の陰茎に触れる。

「かぐら…………」

 名前を呼んで、神楽の手に自分の手を重ねて竿を握ると、既にだらしなく汁を垂らしていたせいでヌチャヌチャと卑猥な音が立った。薄明かりの中、神楽の白い手が徐々に徐々に黒く染まっていく。それを銀時は目に映すと、更に体を熱く燃やした。それなのに神楽を映す銀時の瞳は、氷点下を思わせる凍てついた眼差しだ。悲しみがやけに色濃く浮かびあがる。その理由は自らの行いを間違いだと理解しているせいである。

 何ヤってんだ! やめろ!

 そう叫ぶ自分がいる一方で、ずっとこうしたかったと、いい機会に恵まれたと笑っている自分も居るのだ。

 神楽が起きて、嫌だと言えばやめよう。

 銀時はそれだけを頭の隅に置いておくと、神楽の手を雄のニオイに染めたのだった。


 どれくらい擦っていただろうか。短い時間ではないように思えた。それでも神楽は起きず、銀時は手の動きを止めることが出来なかった。だが、次の瞬間にピタリと動きは収まり、銀時は体を起こした。果ててしまったわけではない。寧ろその逆である。神楽の手を犯すくらいでは、もはや満足出来なくなっていたのだ。

 銀時は血の通っていないような冷たい手で神楽のパジャマのズボンを脱がせると、色気のない下着が現れた。だが、それすらも取っ払ってしまうと、神楽の小さな尻が剥き出しになる。形の良い、柔らかな白肌。銀時は体を倒すと寝転んだまま尻に男根を押し付けた。そして、そのまま滑らせて神楽の閉じている腿の間に突っ込むと、背後から神楽を抱いて腰を動かした。

「素股なら……セーフだろ…………」

 誰に問うわけでもなく銀時はそう呟くと、神楽の右足を抱え込んだ。そのせいで閉じていた神楽の股が開かれ、ピンク色の割れ目が晒されてしまった。そこへ銀時は亀頭を押し当てると――――――ひどく潤っていることに気がついた。やけに滑るのだ。

「か、神楽!?」

 銀時が驚いて神楽の顔をのぞき込むと、浅い呼吸で頬を赤く染めていた。しかし、目は閉じられており、実際に起きているのかは分からない。いや、銀時は確認しなかった。この状況をわざわざ己で壊してしまうのは勿体無いと思っていたのだ。ましてやもう戻れない所まで来ている。

 銀時は起き上がり、神楽を仰向けに寝かせると、神楽の割れ目にそっと触れてみた。クリトリスは既に勃起しており、割れ目に指を僅かに押し付ければ愛液が溢れ出てきた。

「なら、1本だけ食わしてやるよ……」

 そう言って銀時は神楽の奥底へと指を挿しこむと、軽く動かしてみた。すると神楽の眉間にシワが寄り、何かを我慢しているような表情になった。だが、それでも目を開けない。

「いいの? 神楽、お前起きねーと多分……ヤバいわ」

 多分、とは言ったが絶対なのだ。素股などと言いはしたが、この指を引き抜いて、次に挿れるもの――――それは銀時のそそり立った性器なのだから。

「セックスさせられんだぞ? 神楽ちゃんの小さな穴に、銀さんのが入っても…………本当にいいのかよ」

 やはり神楽は目を開けない。反対にきつく目を瞑ってしまった。何も見たくないと、知りたくないと言うように。

「…………じゃあ、遠慮なくハメさせてもらうから」

 銀時は少しも抵抗を見せない神楽の腰を引き寄せると、正常位でゆっくりと性器を沈めていった。

 入れただけで果ててしまいそうだ。包み込む神楽の熱と窮屈さ。それと感じる神楽の鼓動。それらが銀時をこれでもかと刺激した。声が漏れる。泣きたくなるほどに気持ちがいい。腰が勝手に動いてしまうのだ。

 きっとこんなにも狂ってしまうのは神楽相手だからであって、20日間会わないくらいでこんなにも激しく求めてしまうのも神楽相手だからである。ガキなんて言ってみたり、何かと父親ぶっていたが、神楽に対する思いはこんなにも性的であったのだ。

「情けねえ…………」

 そう言いながら神楽の上に汗を落としている銀時の目に、こちらを見つめる神楽が映った。苦しそうに下唇を噛み締め、そして目には涙をいっぱい溜めている。

 可哀相。思わず銀時はそんな事を思ったが、だからと言って腰の動きを止めることはしなかった。

「あう……ううッ……ふン…………うッ……」

 神楽は必死に声を出さないように堪えているようなのだが、反対にそちらの方が銀時の欲情を煽った。神楽の中で更なる膨らみをみせた。

「悪い……神楽…………本当……悪い…………」

 そう言って突き上げる銀時は神楽の細い腰を掴むと、必死に腰を振った。歯を食いしばって、目も開けていられない。神楽がどんな顔をしているだとか、そんな事は一切考える事が出来なくなっていた。

「こわ、れちゃうッ! ぎん、ちゃんッ!」

 そんな声が聞こえたような気がしたが、もう銀時の意識は遠い所にまで飛んでいた。あまりの快感に体が震え、我慢しきれず声が漏れる。神楽の中から出ることもままならず、銀時は溜まりに溜まった濃い精液を神楽の子宮に注いだのだった。


 繋がったまま。中途半端に萎れた銀時は、まだ神楽の小さな穴に挿さったままだ。そろそろ障子の向こうが明るくなって来たが気にしない。神楽は何も言わずに銀時の髪を撫でていて、銀時も何も言わずに撫でられているだけだ。大人と子供が反対である。しかし、それを恥だとは思っていなかった。周囲にどんな目で見られようが何を言われようが、一向に構わないのだ。神楽が銀時を拒絶さえしなければ、周囲のことなどどうでも良いのであった。

「なんで、お前、やめろって言わなかったよ……」

 言葉を途切れ途切れに銀時が吐き出せば、神楽はそれを吸い込むように深呼吸をした。

「別に……ただ、銀ちゃんは悪く無いって、ただそう思っただけネ」

 言葉数少なく神楽はそう答えたが、銀時は薄っすら笑みを浮かべると目を閉じた。

 責めることもせず、だからと言って受け入れる姿勢も見せてくれない。だけど、良いと思ったのだ。そんな神楽だからこそすがっていたいと。

 いつまでも側に居てくれ。

 口には出せなかったが、神楽を強く抱きしめながら、銀時は久々に休まる時間を過ごしたのだった。


2015/07/31