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レッスン!:03

 

 あれから更に数分。神楽はすっかり黙り込んでいた。軽く俯いており、どこか苦しそうな息遣いをしているのだった。

 それに気付いた新八は一度腹を摩る手を止めると、神楽の顔を覗き込んだ。

「気分でも悪いのか?」

「べ、別にそんなんじゃないわよ」

 そう口にした神楽だったが、潤んだ瞳が力なく宙を見つめている。今にも倒れてしまいそうだ。

 さすがに心配した新八は眼鏡を押し上げると神楽の肩に手を回し、その体を支えようとした。

「んんっ!」

 突然、神楽は体を震わせると、苦しそうにベッドへと倒れてしまった。見るからに体調がおかしそうだ。

「おい! 大丈夫か!」

 新八は神楽を起こしてやると、後ろから抱き締めるように胸の中へと神楽を誘った。胸へと倒れ込んだ神楽の熱さが、新八の薄いシャツ越しに肌へと伝わる。心なしか呼吸が浅い。

 そうやって神楽は苦しそうにしているのに、何故か新八の欲情を煽った。

 不謹慎に何を。そう思っているのに、新八の胸の鼓動は激しさを増す。

「もう、触ってくれないの?」

 吐息混じりでやけに大人っぽく聞こえた神楽の声に新八は耳を疑うと、今一度神楽の顔を覗き込んだ。

 潤んだ目はやはり力なく宙を見つめていて、赤い頬と艶のある唇が新八を釘付けにした。

 まさか。そうは思ったが、先ほどの神楽の言葉から一つの疑惑が浮上してきた。それは新八が苦し紛れで吐いた嘘による暗示にかかり、神楽が敏感になってしまったと言うことだ。

 ならば、この一見苦しそうに見える様子も実は――新八は体の中心部が疼くと、神楽の肩に置いていた手をゆっくりと赤い頬へと移動させた。

「ひゃっ!」

 ただ、頬に手を置いているだけだ。それなのに何て声を上げるのか。

 新八は思った。この反応は間違いないだろうと。

 それを確かめる為、再び手を移動させると、今度は髪を掻き分け首筋辺りに触れてみた。

 横を向いた神楽は声こそ出さなかったが、新八の胸辺りのシャツを片手で掴み、その力の入れ様から必死さが伝わって来た。

 普段は口うるさい神楽が自分の胸の中で声を我慢し、その身に感じる刺激にじっと耐えている。新八はそんな状況に興奮すると、神楽の首筋から手を滑らせて耳を撫でた。

「新八」

 他に何を言うわけでもなく、神楽は息を漏らしながら新八の名前を呼んだ。いつもなら呼び捨てにするなと腹を立てるのだが、今はそんな事を微塵も感じないのだ。寧ろ、その可愛い声でもう一度呼んで欲しいなどと思っていた。

 新八はそれを訴えるように、神楽の唇を親指でなぞって刺激した。柔らかく瑞々しい唇がグニャリと形を変える。指にかかる息の熱さに口腔内の温度が想像出来た。しかし、それを直に知りたいのだ。

 新八は自分の名前を呼ばれる事を諦めると、神楽の口の中へと少しだけ親指を差し込んだ。すると、神楽の灼けそうな程に熱い舌が新八の指に触れた。それがくすぐったく、なのに堪らなく興奮して新八の息遣いは荒くなった。

 視覚から入る情報が更にそれを加速させる。神楽の血色の良い舌が指に絡みつき、アイスキャンディーを舐めるように這わされる。その舌の動きが艶かしく、よからぬ事を想像させた。自分の膨らんだ体の一部を神楽が舐め上げる姿。

 新八はズレた眼鏡を上げる事も忘れて、神楽の口の中を刺激し続けた。

 徐々に神楽の唾液の量も増えていき、そのせいで卑猥な音がファンシーな部屋に響く。子供染みたウサギのぬいぐるみや、カラフルな時計。ポップな柄のカーテンなどが新八に背徳感を抱かせた。

 生徒相手に何をしてる?

 そんな事はだいぶ前に気付いてはいたが、もう止まらないのだ。実際は家庭教師とは言え、神楽との年齢差など殆どない。ベッドの上にいる以上、ただの血気盛んな若い男と若い女でしかないのだった。

 神楽は新八の腕を掴むと、自分の口の中から指を引っこ抜いた。そしてその腕を離すことなく下の方へ移動させると、短いスカートから見えている白い腿の上へと置いた。

 すっかりとだらしない顔になった神楽は甘い声で囁く。

「早く触って」

 新八は顔から耳から全身が焦げるように熱くなるも表情は崩さず、鋭い目つきで胸の中の神楽を見下ろしていた。

「それが人にものを頼む態度か」

 などと答えはしたが、頭の中はパニックに近い状態であった。

 女の子の腿に触れる事は勿論、その更に奥の聖地へ乗り込むなどいまだかつて経験がないのだ。

 と、とにかく適当に触ってみるか?

 新八は神楽の腿に置かれた手をそっと滑らせた。手のひらに神楽の素肌の感触が伝わってくる。なめらかで、すべすべとしている。新八は乳房もいいが腿も悪くないなども思っていた。しかし、神楽はそうではなかった。

「そこじゃない」

 神楽は再び新八の手首を掴むと、太ももと太ももの間へと誘ったのだ。新八の手が柔らかく熱い狭間へと吸い込まれた。

「あんた先生の癖に、私に教えられないと分かんないの? それとも……焦らしてる?」

 神楽はそう言うと、わざと片膝を立てたのだった。制服のスカートが軽くずれて、腿全体が露わになる。いや、それだけではなく神楽の淡いピンク色のパンツが見えている。

 新八は鼻血が出そうになりながらも、冷静ぶって格好をつけた。

「貴様こそ分からないのか。恋愛には、時に我慢が必要になると言うことだ。覚えておけ」

「でも、もう我慢出来ないんだけど。全部あんたのせいよ」

 神楽はそう言うと、新八の手をピンク色のパンツへと押し付けた。そのせいで神楽の股間部分にシミが広がっていった。

 新八はこの状況に心臓をうるさく跳ねさせながら、自分が次に何をするべきなのかを必死に考えた。

 今まで見たアダルトビデオの映像を思い出すも、肝心な部分はモザイクがかかっており何をやっているのか見えないのだ。

 どうすんだよッッ!

 新八は頭が真っ白になると、無意識に神楽の両胸を後ろから鷲掴みにした。新八の手に柔らかな膨らみが触れる。

「急になんなのよ。やっ、待って……」

 神楽は思いがけない新八の行動に困惑しているようだった。しかし、新八はやめない。一度掴んだ乳をそう簡単に離してなるものかと大胆に揉んだ。すると、神楽は吐く息を次第に甘い声へと変えた。

「ふっ、んっ……あっ」

 それが更に新八を激しく興奮させると、隠すことなく荒い息で神楽の胸を揉みしだいた。しかし、これで満足はしない。次はこの制服の中に手を突っ込んで触りたいと考えた。

 神楽はと言うと息も絶え絶えで、足をもじもじと動かし落ち着きがなかった。

 これならイケる。

 新八は制服の中に手を滑らせると、今度はブラジャーの上から胸を触った。先ほどまでとは比べものにならない程に、神楽の胸を近くに感じた。そうなると次はその様子を、この目に映してみたいと思うようになった。

 新八は手を止めると、神楽の着ている制服をゆっくりと胸の上までめくり上げた。そして、パンツとお揃いの淡いピンク色のブラジャーが顔を出すと、想像よりも大きな胸が露わになったのだった。

「待って、恥ずかしい!」

「今更何を言っている」

 新八は神楽の胸を再び揉むと、柔らかく形を変える神楽の乳房に体を熱くさせた。血液が次々に全身へと流れ、下腹部へと集中する。

 新八は底無しの欲望が自分を蝕んでいくのを感じていた。次はブラジャーも取っ払い、直に胸を触りたいのだ。

 ならば、その次はどうする?

 最終的に行き着く先は……今の状況から予想は出来るのだが、心の準備など出来ていない。

 新八は己の欲の赴くままに突っ走って良いものかと悩んでいた。しかし、その手の動きは止まらない。

 結局、新八は神楽のブラジャーまでも胸の上へとズラしてしまうと、何にも隠すものがなくなった乳房を好きにしたのだった。

 初めて見る桜色した神楽の乳首。その穢れなき神聖な場所を新八は指で摘まんだ。神楽の口から小さな声が漏れる。そして、目を閉じたその表情が淫靡な空気を漂わせる。

「どうしよう、新八。もう我慢出来ないかも」

 震える声でそう言った神楽に新八は堪らなく愛しくなった。正直言えば、神楽の見た目もたまに見せる笑顔も優しさも、新八は嫌いではなかった。だが、神楽の態度のせいもあり、距離の取り方が分からないでいたのだ。そんな神楽が今は素直で、自分を頼っている。それが心地よかった。

 新八は神楽の言いたいことを察すると、神楽のツンと上を向いている乳首を指で弄った。

「構わない。好きにしろ」

 神楽はその言葉を聞くと、躊躇うことなく自分のパンツの中に手を滑り込ませた。そして、モゾモゾと指を動かすと、今までの比ではない官能的な声を上げた。

 新八はパンツの奥で何が行われているのかなど全く分からなかったが、自分のパンツの中が大パニックに陥っている事はよく知っていた。

 暴発するッッ!

 そうは思っても、神楽から目を離すことは不可能だ。目の前で繰り広げられるエキセントリックショーに新八は身も心も虜となっていた。

 

 柔らかな乳房が淫らに手の中で自在に形を変える。この世の全てを手に入れたような感覚に、新八は更に大胆な行動に出た。神楽の硬くなっている乳首に吸い付いたのだ。欲望の赴くままに神楽の乳房を口に含んだ。犬のようにうるさく息を吐き、赤ン坊のようにヨダレを垂らす。そこには“先生”と呼ばれる品行方正な青年は見当たらなかった。

 いつの間にかパンツを片脚に引っ掛けていた神楽は、卑猥な音を立てながら新八の名前を呼んでいた。だが、この異常な状況に興奮している新八は、神楽の乳首を吸うのに夢中でロクに返事もしなかった。すると痺れを切らしたのか、神楽は自分の胸に顔を埋めている新八を引き剥がしたのだった。

「なんで胸ばっかりなのよ。しかも眼鏡曇っててキモいし」

 新八は何も言わずに曇った眼鏡を指で押し上げた。

 確かに胸に夢中だった事は少々大人げなかったが、眼鏡の曇りをキモいと言われる事は納得いかなかった。

 ベッドの上で向かい合わせに座った二人は、沈黙に少しの気まずさを感じていた。すると神楽の方から新八へと近づいて来て、その姿勢を膝立ちへと変えた。そして新八の手を取ると、短いスカートの中へと招いてしまった。

 新八の指に柔らかな肉と湿った溝が触れた。

 こ、これはッ!?

 神楽は紅潮した頬で新八に言った。

「触ってよ。ダメ?」

 新八は遂にこの瞬間が来てしまったのかと全身に震えを感じたが、逃げる事はせずに覚悟を決めたのだった。

 たどたどしい動きで神楽の敏感な部分を刺激すれば、神楽の顔が軽く歪んだ。そして言葉が零れる。

「しんぱち、どうしよう。気持ちいいアル」

 そんな言葉に新八は心を掻き乱されると、既に新八を迎え入れる準備の出来ている神楽に指を挿れたのだった。そして見よう見まねで指をめちゃくちゃに動かした。

 次々に溢れ出る愛液。ピンク色のシーツへとポタリポタリと落ちてくる。それが滑りを良くし、奥へ奥へと指が飲み込まれそうになった。

「もうダメ……」

 力が抜けたのか突然、神楽が新八の肩を力強く掴んだ。神楽は下唇を軽く噛むと、何かを必死に耐えているようだった。

 新八は要領を得たのか神楽の反応が良い場所を探り当てると、そこを集中的に刺激した。神楽の官能的な声が大きくなる。それに連動するように、神楽の膣から溢れる体液が量を増す。すると突然、神楽は体を小刻みに震わせ、何も言わなくなってしまった。そして新八へと崩れるように倒れこんで来た。

「お、おい! 神楽?」

 異変を感じた新八は慌てて神楽を抱き締めると、自分の首元に顔をうずめて苦しそうに呼吸をしている神楽を心配した。

「大丈夫なのか?」

 何も言わないでいる神楽の状態が気になった新八は、神楽の体を軽く離すとその顔を覗き込んだ。そこには相変わらず可愛い顔があって、どこか照れ臭そうにはにかんでいた。そんな神楽の表情が新八の顔まで赤くさせたのだった。

 まるで恋人同士のようだ。

 なんて考えが一瞬頭に過ったのだが、新八は飽くまでも自分達は“先生と生徒”でそこに私情は一切ないと考えをかき消した。

「ねぇ、新八」

 新八の首に腕を回したまま近い距離にいる神楽は、新八を熱い瞳で見つめている。その熱にすっかりと溶かされてしまった新八は、私情は一切ないなどと思っている癖に、神楽を抱く腕を緩めることはなかった。

「この後はどうするの?」

 新八は自分の下半身に感じる痛みをもう無視出来ずにいた。今すぐに解き放ち、神楽に弄られたくて堪らないのだ。新八は喉が鳴ると、力ない声で言った。

「貴様だけが気分良くなってどうする?」

 神楽は赤い顔でゆっくり頷くと、新八から離れたのだった。

 欲望のままに色々やったにも拘らず、今更体が震えていた。童貞卒業も近い事が窺える。

 新八はおもむろにベルトを外すと、ファスナーを下ろした。そして黒く近寄り難い印象のズボンを脱ぐと下着姿となった。

 ベッドの上で乱れた髪の少女と二人。期待はどんどんと膨らんで行くのだった。