2015 Request
季節は夏
場所は海
アラサーのおっさんに汚される神楽
R18以上

コラテラル・カンジュ/近神※(リクエスト)

 ※2年後設定


 夏といえば――――――青い空、白い雲、そしてコバルトブルーの海!

 しかし、ここに浮かない顔の少女が一人居た。夜兎族の神楽だ。スナックお登勢のカウンターテーブルで長い髪の乱れも気にせず、だらし無く突っ伏している。その大きな青い瞳には薄っすらと涙が浮かび、今にも零れ落ちそうだ。店はまだ昼という事もあり開店前で客の姿は見当たらない。どの薄暗い空間でからくり家政婦のたまが、神楽を深刻そうな顔で見つめていた。

「神楽様、そういうことであれば源外様に頼んでみるのはどうでしょう」

「爺さんに?」

 その言葉にむくっと体を起こした神楽は、ゆらゆらと頼りない体をどうにか腹で支えると、たまに向き直った。

「はい、きっと源外様なら神楽様でも、海で遊べる何かを発明してくださいますよ」

 神楽は毎年万事屋で海水浴に行くのだが、いつも一人膝を抱えて荷物番をしているだけであった。日に肌を晒すことの出来ない種族に生まれたせいで、一度も海水浴を満喫したことがない。それなのに今年は思い切って真っ赤なビキニを買ったのだ。それを披露するのが室内プールでは味気ないと、どうにか海で遊べないだろうかと考えていた。しかし、銀時や新八に相談するも『危険だからやめろ』の一点張りで、考えることすらしてくれない。周囲の友人もみんな海水浴を満喫していると言うのに…………神楽はついにたまへ泣きついたのだった。

「でも、いくら爺さんでも無理アル。海水浴は明後日ネ」

 正直、一日二日でそんなスペシャルなものが開発されるなど、あり得ない話なのだ。今年も大人しく日陰で膝を抱えていよう。神楽はたまに礼を言うと、ふらふらと万事屋へ帰って行った。

「神楽様………………」

 しかし、翌日の夕暮れ。神楽の元に一つの発明品が届けられるのだった。




 万事屋の玄関では嬉しそうな表情に見えるたまと、まだ状況を飲み込めていない神楽が向かい合っていた。

「源外様が神楽様にも効果のある日焼け止めを作ってくださいました」

 しかし、その声にも神楽の表情は浮かないものであった。何故なら、効果は使ってみない事には分からないからである。それが本当に使えるものなのか、疑わしき目で神楽はたまの持つ日焼け止めを見ていた。

「使用方法は肌に塗るだけです。ただし効果は3時間以内。それを超えると副作用が出るとの事なので、3時間が経過する前にこちらの石鹸で洗い流して下さい」

「副作用!? なにアルカ! それ!」

 神楽が大きな目を更に大きく見開くと、焦った表情でたまに迫った。

「それが……体が熱くなると言うことしか分かっていないそうです。多分、ヤケドの恐れがあるのではないでしょうか」

 神楽はたまから日焼け止めと石鹸を受け取ると、それだけを忘れないようにしっかりと覚えておいた。

「でも、折角爺さんが作ってくれたネ。一応、明日持って行って使ってみるアル。たま、ありがとうナ」

「いえ、お役に立てて光栄です」

 さすがは、からくり家政婦と言ったところである。神楽の役に立てたことに嬉しそうな顔をすると、たまは下のスナックへと戻って行った。


 戸を閉めた神楽は半信半疑で、たまから受け取った日焼け止めのチューブから少量のクリームを出してみた。匂いはフルーツの匂いがして、そう悪くはなかった。しかし絞り出したクリームはやけに紫色をしており、どこか怪しげに映る。それを手の甲に塗ってみれば特に何と言ったことはなかった。

「普通のクリームに見えるけど、試す価値はあるかもしれないネ」

 神楽はまだ期待してはダメだと言い聞かせるも、もしかすると効果があるかもしれないと緩む頬は隠せそうにないのだった。




 翌日、天気に恵まれた万事屋一行は、江戸の海水浴場へと来ていた。

「神楽ちゃん、本当に入るの? 海」

 新八は着物の下に着ていた水着姿になると、浮き輪の空気を膨らませながらそんな事を言ってきた。どこか他人ごと感が満載で軽く苛立つ。

「お前らには迷惑かけんアル、それにもし無理だったら、またここに戻ってくるネ」

「まぁ、でも爺さんの発明も馬鹿には出来ねーしな。そう心配することもねぇのかもな」

 背後から聞こえてきた声に振り向けば、そこには水着姿で浮き輪を装着した銀時が立っていた。神楽はそんな銀時にちょうどいい所にいたと、大きなパラソルの下で華麗にミニ丈のチャイナドレスを脱ぎ捨てた。

「銀ちゃん、悪いけど背中に日焼け止め塗ってヨ」

 初めて着る真っ赤なビキニ。神楽は少し大胆過ぎたかとやや緊張していた。大きな胸が今にも零れそうなのだ。そんな神楽の背中を見て、銀時も鼻血でも出してしまったのだろうか。中々返事が返らない。

「も、もうっ! へ、変なこと想像したんじゃないだろーナ!

 そう言って神楽が赤い頬で背後を振り返ると――――――そこに銀時の姿はなかった。

「お嬢さん、僕達と潜水艦ごっこでもしませんか?」

 今さっき聞いたばかりのよく知っている声。神楽の耳に下品なナンパのフレーズが入り、そちらに目をやれば…………案の定、鼻の下を伸ばした銀時と新八が羽目を外して遊んでいた。

「あ、あいつらァアア!」

 神楽は怒りを覚えるも、日焼け止めを塗らずに灼熱の空の下には飛び出せないと追いかける事を諦めた。銀時たちを頼れないなら仕方がない。神楽は自分で塗れる所だけでも頑張って塗る事にしたのだった。


 塗ったところはしばらく紫色に染まっており、大方見える範囲は塗り終えていた。だが問題は背中である。神楽はやはり銀時たちを呼び戻そうかと周囲を見回した。すると、こちらに向かって飛んでくる謎の塊が目に入った。

「ゲッ!」

 色気のない悲鳴を上げた神楽はそれを避けきれず仕方がなくキャッチすると、腕の中で目を回している見覚えのあるゴリラに腹を立てた。

「またお前アルカ! あっ、もしかして姉御たち来てるネ! 姉御ォオ!」

 しかし、神楽のその声は波に消え、お妙とその隣を歩く九兵衛には届かなかった。こうなったら使えるものはゴリラでも使えと、神楽は抱えているゴリラをヤケドする程に熱い砂の上に落とし目を覚まさせた。

「起きろゴルァ!」

「あっちぃいいい!」

 慌てて飛び上がった真選組局長・近藤勲に神楽はこっちへ来いと手招きした。

「チャ、チャイナ娘か?」

「そうアル、それよりお前これ、背中に塗ってヨ!」

 神楽はそう言って敷物の上に座ると、近藤に背を向けた。

「まぁ、いいけどよ、これは何だ?」

「私専用の日焼け止めアル!」

 すると突然、背中にヌルっとしたクリームが塗られて、神楽は思わず悲鳴を上げた。

「びっくりするダロ!」

「は、はァ?」

 近藤がクリームを塗ったのは、背中に掛かるビキニの結び目の中であった。躊躇いなく手を突っ込んだ近藤に神楽は心臓が飛び出るかと思ったのだ。そう簡単に誰にも触れさせない場所。なのにこの背後のゴリラは伺い立てる事なく手を突っ込んだ。神楽は赤い顔で近藤を睨むも、当の本人は何も分からず不思議そうな顔をしているだけであった。

「もう塗れたアルカ?」

「ああ、問題ねぇだろう」

 神楽はその言葉にゆっくり立ち上がると、近藤に言った。

「もし私が倒れたら、銀ちゃん達呼ぶアル」

 近藤はやはり神楽の言っている意味を理解していないらしく、謎めいた顔をしていた。しかし、神楽はそれどころではないと、揺らめく陽炎をじっと見つめていた。そして、深呼吸をすると、パラソルの下から日向へと足を踏み出した。

 全身に突き刺さる強い日差し。まるでその身を焦がすようでありながらも、夏の喜びを神楽に教えていた。白い肌は誰の目に見ても眩しく、だが目を逸らすことが出来ないといったように群集の視線が集まる。

「だ、大丈夫ネ。余裕で立ってられるアル。全然痛くないネ!」

 神楽は近藤の存在を忘れて駆け出すと、銀時たちの元へ向かうのだった。


 初めての海、そして塩辛さと波。神楽は幼い子供に戻ったかのようにはしゃいでいた。銀時の浮き輪を猛スピードで引っ張ったり、新八と潜水して競争したり、お妙と九兵衛とはビーチボールで遊んだり、それはそれはとても楽しい時間を過ごした。《例のこと》に気が付くまでは。

 神楽は海面に浮上すると飛沫を上げて呼吸をした。痛みもなく、肌も荒れていない。こんなに素晴らしい発明をした源外には、何かお礼をしなければと思っていた。そして日焼け止めを持ってきた、たまの柔らかい笑顔を思い出した。自分のことのように喜んでくれて…………

「あッ! ああッ!」

 そこで神楽はとんでもない事まで一緒に思い出したのだ。確かたまに渡されたのは日焼け止めだけではなかった。石鹸も共に渡されたのだ。そしてたまの言葉が蘇る。

『ただし効果は3時間以内。それを超えると副作用が出るとの事なので、3時間が経過する前にこちらの石鹸で洗い流して下さい』

 神楽は一気に血の気が引くと、銀時と新八に何も言わずに海から飛び出した。既に神楽が海に入ってから2時間半は過ぎていた。だが、正確にどれほどの時間が経ったのか全く覚えていないのだ。神楽は着替えとタオル、そして石鹸を取ると慌ててシャワー室へと向かった。

「最悪アル!」

 しかし、どのシャワー室も帰宅する客で溢れかえっており、行列が出来ていた。これでは待っている間に3時間が経過してしまうかもしれない。神楽は焦った。こうなったら岩場の影に隠れて全身に塗りこんだ日焼け止めを洗い流すか……そう考えたのだが、誰かに覗かれてしまうかもしれない危険が伴った。どうしようかと周囲を見回していた時だった。海の家の中にもシャワーがある事に気付いたのだ。外にある最新のシャワー室よりは作りが質素でベニヤで囲まれただけではあるが、競争率は低そうだ。神楽はイチかバチかで賭けたのだった。だが、既に体には異変が起こり始めていた。熱いのだ。これはいよいよマズい。神楽は救いを求めるように海の家に飛び込むと、シャワー室のドアに――――――同時に誰かが手を掛けた。神楽が焦った表情で見上げると、そこに居たのは近藤であった。

「私に譲れ! 時間がないアル!」

 そう言って入ろうとするも近藤も何故か譲らなかった。

「隣にお妙さんが九兵衛と入ってんだァアア!」

 どうやら不純な理由で譲れないようであった。

 ぶっ飛ばして奪ってやろう。神楽はそう思って右手を近藤の腹めがけて繰り出したが……

「あ、あれ?」

 力が抜けるとそのまま近藤の胸へと倒れこんだ。そして上がっている息に、体を支配する熱さがヤケドをするような物理的なものではなく、奥底から湧き上がる体の火照りであることに気が付いた。神楽もこの感覚が分からないほど子供でもない。額に汗を滲ませると力を振り絞ってドアを開けた。だが、結局そのまま近藤と倒れるように雪崩れ込むと、半畳ほどのシャワー室に2人で入ったのだった。

 近藤と目が合う。もちろんその目は疑心に満ちているもので、神楽もそのつもりはないと否定の言葉を口にした。

「違っ! 出て行けヨ…………」

 しかし、神楽は体の奥底から突き上げる疼きに綺麗な顔を歪めると、近藤の胸板に頬を寄せるだけであった。明らかにおかしい事は誰の目にも明らかである。神楽自身も早く石鹸で体を洗ってしまわなければと思っているのだが、頭の中がそれ以外の事で溢れていくのだ。

「な、何があったか知らねーが随分と体調が悪そうだな。今、万事屋を呼んできてやるから、お前はここで待ってろ」

 そう言って近藤は神楽にシャワー室を譲り、出ていこうとした。だが、神楽はそれだけはやめてくれと近藤を引き止め、首を左右に振った。今のような姿を銀時や新八に知られたくはないのだ。もし、こんな姿を2人に見られてしまったら……トラウマ確定である。

「それよりも私の体、支えててヨ」

「は、はァ!?」

 神楽は何か自分がおかしな事になってしまう前に、さっさと石鹸で体を洗ってしまおうと思ったのだ。

「いいから、早くしろヨ!」

「……こう、で良いのか?」

 神楽は近藤に背後から脇腹を抱えられると、首から下げていたポーチから小銭を取り出しシャワーの機械に投入した。シャワーヘッドからは勢いの強いとは言えないお湯が出た。しかし今は何でも良いとそれをゆっくり体にかけ、持っていた石鹸を泡立てた。

「これで……どうにかなるアル」

 泡が体を包んでいく。しかし、そう呟いて安心したのもつかの間、自分の手だと言うのに体に触れると意識がフワフワと飛んでしまいそうになるのだ。顔や首、そして鎖骨、腕……徐々に洗う箇所は下へと移動する。それに伴い神楽の体は、より強い刺激を求めてしまうのだ。泡のついた手で恐る恐る胸を撫でる。だが、それでは足りないと体はワガママを言った。ちゃんと触ってと。しかし、背後には近藤が居てこれ以上先へ進むことは出来ない。神楽は気力だけでどうにか火照りを抑えこむと、出来るだけ頭を空っぽにして洗うことにだけに集中した。

「もう、九ちゃんたら……んふふふ……」

「お妙ちゃんこそ……クスクス……」

 隣のシャワー室から甘い女性の声が聞こえて来る。こそこそとお妙と九兵衛は2人で何やらお喋りしているようだ。それに反応を見せたのは神楽の背後に居る近藤の……棍棒であった。神楽の小ぶりだが形の良い尻にグイッと押し当たる。

「…………お、お前」

 神楽は紅く染まる頬と潤んだ瞳で近藤を睨みつけると、近藤は無表情で神楽を見下ろしていた。

「気にするな」

 だが、そう言われて気にしない人間はいない。それになんとなく先ほどよりも、神楽を支える近藤の手が前に来ている気がするのだ。指先が胸の膨らみに触れているような、くすぐったさともどかしさを感じる。

「変なもん近づけるナヨ」

 神楽は狭いシャワー室でどうにか逃れようと尻を動かしたが、力の入らない体では近藤に刺激を与えるだけであった。全くの逆効果である。更に膨らみを見せた近藤の棍棒は抑えが効かないらしく、ついに水着から頭を出すと直接神楽の尻に引っ付いた。

「ば、馬鹿カヨ! 何してるネ」

「気にするな」

 いくら近藤の裸や局部に抗体があるとはいえ、それが自分の体に引っ付いてるとなると話は違ってくる。それに今は神楽も強い刺激を求めているのだ。ギリギリの所でかかっているストッパーを外すような事はやめてくれと、切に願っていた。だが、もうそれも限界に近い。近藤の体が密着し、神楽もそれを跳ねのける強さを失いつつあった。

 少しずつ体を洗ってはいるが、疼きは一向に収まらない。神楽は今にも泣き出しそうな表情になっていた。このままでは望まない愛欲に塗れてしまう。その精神はもはや擦り切れる一歩手前の糸である。それは背後の近藤も同じらしく、神楽を抱える手が今にも悪さをしでかそうと熱くなっていた。神楽はゆっくりと大きく息を吸うと近藤に言った。

「お、お前……それ握って、壁向いてろヨ…………」

 嫌ではあるが、近藤が早い所ラクになってしまえば間違いも起きないだろう。神楽はそう思ったのだ。近藤も神楽の言葉の意味を理解したのか、神楽から体を離そうとする。だが、神楽は意に反して近藤を振り返り見ると、手首を掴み物欲しそうな表情で鼻を鳴らした。

「……本当に離れるアルカ?」

 すると目の光を失ったゴリラは野生化し、ついに暴走してしまったのだ。糸がぷつんと切れる音が聞こえた。

 近藤は神楽の脇腹から両手を上に滑りこませると、ビキニで隠れている大きめな乳房を鷲掴んだ。そして、それを無遠慮に揉みしだくと乳首をキュウと指で挟んだのだ。

「あ、ああッ、あ…………」

 体に走る電撃。誰にも触れさせたことのない、まだ育ちきっていない若い芽。そこへ与えられたのは想像を絶する強い刺激だ。神楽は擦り上げられた乳首に声を漏らすと、体を勢い良く仰け反らせた。膝がガクガクと震える。しかしこうなってしまった以上もう後戻りすることは出来ない。神楽は自分に正直になるしかないと、ベニヤの壁に手をついて近藤に尻を突き出した。そのせいで近藤のいきり立った性器が神楽の熱い股間へと密着する。神楽の耳にゴクリと唾を飲み込む大きな音が聞こえた。それに神楽は体を震わせると、今から起きるであろう出来事に期待した。

 近藤の手が神楽の乳房から離れる。もう次にどこへ向かうかなど、神楽にも分かっていた。その想像を裏切ることなく分厚く大きな手は、突き出している尻に向かったのだ。

「お妙さんスミマセン、お妙さんスミマセン……」

 うわ言のように呟く近藤だったが、その血走った目はもう神楽しか見えていないようだった。近藤の太い人差し指が、真っ赤なビキニパンツをかき分けて割れ目に辿り着く。そしてほじるように刺激を与えれば…………神楽の意識は一度大きく飛ぶのだった。

「しないでヨ……やめ……て…………」

「でもよ、お前のここ……こんなにトロトロになっちまってるぞ…………」

 近藤の指が奥から手前へと滑れば、一緒になって神楽の愛液も流れてくる。こんなに強い快感は、自分で弄る時にも一度だって感じたことはなかった。初めて受け入れる男の指に神楽は激しく興奮していた。

「んッ、い、いやァ!」

 神楽の声が思いのほか大きかったらしく、隣のシャワー室からこちらを不審がる声が聞こえてきた。

「さっきから隣がうるさいようだが」

「本当ね、大丈夫かしら?」

 しかし、神楽は漏れる吐息や溢れ出る声を我慢することが出来なかった。近藤がほじくる指を増やしたのだ。ピチャピチャと卑猥な音を立てる神楽の膣穴は、理性をとっくに失っているようであった。

「あうッ、ううッ」

 神楽の唸りは明らかに性的興奮を受けて出るものだ。このままでは隣のお妙や九兵衛にこの密室で起きている出来事がバレてしまうかもしれない。しかし、神楽の頭は思考すらも停止しており、『止める』と言う選択肢を見つけられないでいた。

 だが、近藤はそうではなかったらしく、神楽との事が明るみに出ては困ると言ったように己の唇で神楽の煩い口を塞ぐのだった。

 背後から被さる近藤に神楽は唇すらも奪われてしまうと、体に受ける激しい刺激にまたしても昇天した。舌は絡みつかれ、水着からはみ出した乳房は近藤の左手で形を変えながら揉まれている。更に下腹部は右手で指を抜き差しされていて、簡単に潮を噴かされてしまった。

 神楽は自分を遠慮もなく破壊していく近藤に許し難い気持ちでいるのだが、体はそれが良いのだと離そうとしなかった。

「まさかチャイナ娘がこんなに淫乱だったとはな……万事屋には悪いが…………」

 そう言った近藤は神楽のビキニパンツを大きく引っ張ると、腹につきそうな程伸び上がったイチモツを神楽の割れ目に押し当てた。神楽の口から我慢できずに声が漏れる。

「い、い……ぐッ……ン…………」

 我慢する気の一切ない近藤は、神楽のピンクに染まる割れ目の中へと消えていく。先で割って入るようにゆっくりと。絡みあう愛液と汁。初物と言うのに神楽のそれは男を簡単に惑わした。

「お、おい、どうなってんだ……男を悦ばすカラダってのは……こういうことなのか?」

 近藤はそんなことを言って神楽の腹をえぐるように腰を振ると、神楽は嫌だと首を激しく左右に振った。

「や、やめろヨ! 壊れるアル! こんなの……ひッ……」

「咥えて離さねえのはそっちだが……イヤなら抜くか…………」

 そう言って近藤は顔を大きく歪ませると、ゆっくりと神楽の中から性器を引き抜いた。だが、もう神楽の頭には近藤によって与えられる快感のことしかない。悔しそうに眉を寄せると唇を噛んだ。そして、背後の近藤に赤い顔を見せると、とろける顔で言ったのだった。

「い、嫌だけど……んッ……赤ちゃんできちゃうかもしれないけど……でも、もっと奥まで欲しいアルッ!」

 もう抗うことは出来ないのだ。引き返せない。神楽は懇願する自分が心底嫌いであった。しかし、今だけは近藤のモノ以外考えられないのだ。

 唾を飲み込んだ近藤は再び、神楽の割れ目を開いた。そして小さな膣穴に熱く硬い男根が捻り込む。そして、それは一気に神楽の一番深いところまで突き刺さると、神楽の細い腰を掴んだ近藤は激しく腰を打ち付けるのだった。

「く、くそッ……本当になんてカラダだ……」

 近藤もすっかり神楽に夢中のようであった。獣のように2人はまぐわうと、何もかもを忘れて行為に耽った。


 近藤が突く度に神楽は膣穴をきつく締めた。それはまるで近藤の精液を早く注いでくれと望んでいるようだ。惚れてもいない男の性器を飲み込み、そして孕ましてくれと言わんばかりに卑猥に絡みつく。神楽の体は男を悦ばす為だけに作られた性的玩具のようであり、神楽もこんなふうに使ってもらえて嬉しいと、涎を垂れ流しながら快楽に溺れていた。

「締まってきたが……イキそうなのか……」

「イ、イキたくない……いやアル……お前のでイキたくなんて…………」

「俺は、もう……」

 神楽はほぼ意識を失いかけていた。強烈な刺激に脳が溶けてしまっているのだ。言葉も出ない。羞恥を忘れ鳴き声が漏れるだけである。

「中でイッていいか…………ああッ! 出ちまう……」

 その声を聞いたと同時に神楽は膣を締めあげると、膣に注がれる熱い体液に体を震わせ果ててしまった。

 その場に崩れ落ちた神楽だったが、もうろうとする意識の中でも体の火照りが取れている事に気が付いた。だが、もう疲れており今は何も出来ない。神楽は近藤に体を預けると、しばらく目を閉じて座り込んでいるのだった。


 その後、どうにか着替えてシャワー室から出た神楽と近藤だったが、その気まずさと言ったら……まぁない。2人は海の家に備え付けてあるベンチに座ると、お互いに後悔しているようであった。

「…………心配すんナ。訴えたり別にしないアル」

「い、いや、まぁ、それは……助かるが…………あああああ!」

 近藤は頭を抱えると思いっきり中出しを決めた事に、自己嫌悪に陥っているようであった。神楽はベンチから立ち上がると、近藤を残して銀時達の元へと向かった。落ち込みたいのは自分の方である。それなのにヤった本人にあんなにも落ち込まれると、なんか無性に腹が立つのだ。泣きたいのは神楽の方であり、どうしてこうなってしまったのかといくら考えても取り返しがつかなかった。


 神楽はどうにか余韻から抜けると、パラソルがあった場所へ戻って来た。すると既に着替えを終えた新八と銀時が、何やらお妙達と話しをしていた。

「それでね、何だかずっと苦しそうな声が聞こえていたの」

 お妙は深刻そうな表情でそんな言葉を口にした。それを聞いた神楽の肝が冷え上がる。お妙が皆に話している内容は…………きっと神楽と近藤のことである。神楽はどうにか話を逸らそうと口を挟んだのだった。

「そ、そろそろ帰ろうヨ!」

 すると、銀時や新八も荷物を持つと、首を傾げてるお妙に行こうと促した。しかし、まだお妙は何か引っかかっているらしく考えこんでいる。

「……どこかで聞いたことある声だったんだけど」

「き、気のせいじゃないアルカ」

 そうして神楽がお妙に作り物の笑顔を向けた時だった。

「おったえさ~ん!」

 復活した近藤がこちらへ向かってきたのだ。その声を聞いたお妙はいつものように近藤を…………投げ飛ばすことなくトンと拳を手のひらで叩くと明るい顔になった。

「思い出したわ! 近藤さんよ」

「え? 近藤さんが?」

 そう答えたのは眼鏡を光らせた新八であった。

「絶対近藤さんよ。だけど、一緒に入っていた女性は誰だったのかしらね?」

 お妙はそれだけ呟くと、九兵衛と共に歩いてバス停まで行ってしまった。

 妙な空気が残された銀時、新八、神楽を包む。近藤はと言えばまだこちらに向かって走っている。

 お妙の会話を聞いていた銀時は正面を神楽に向けると、何とも言えない顔でこちらを見ていた。それには神楽もヤバい状況である事は理解が出来た。何かを問いただされるのは目に見えているのだ。苦笑いを浮かべた神楽は何も知らないと、駆け出そうとして…………股間に違和感を覚えた。ドロっと生温い何かが体の奥から流れ出てきたのだ。足元に目を向ければ、砂の上に白濁液が流れ落ちていた。

 固まる銀時、新八、神楽。そして、ようやく辿り着いた近藤は空気を読まずに口を開く。

「あれ? お妙さんは? つか、何見てんだ?」

 皆の視線はチャイナドレスの短い裾の下へと集まる。ドロリと落ちる白濁液。誰がどう見てもそれは精液以外の何ものにも見えなかった。

「お、おい。神楽……お前、さっきまでどこ行ってたよ?」

「…………シャワー浴びて、着替えてただけアル」

 すると新八が眼鏡を光らせながら近藤に言った。

「それで近藤さん…………シャワー室に誰と居たんですか?」

 耐え切れなかったのか近藤は両手で顔を覆うと肩を震わせた。

「すまん…………万事屋」

 神楽はこの辺りで意識がなくなると、ついに倒れてしまうのだった。




 翌日、神楽は源外の作業場へと姿を見せていた。その顔は恐ろしく怒っており、腕を組み仁王立ちする姿は金剛力士像さながらであった。

「それで、爺さん! あれの副作用って一体なにネ」

 その声に源外は顔を上げると、作業していた手を止めた。

「なんだ、そんなことも知らねえで使ってたのか? ありゃあ果実のザクロを原料に使ったとたまには説明したんだがな」

 ザクロ? 神楽には馴染みのない果実であった。

「それが副作用とどう関係があるネ?」

 すると源外はニカッと笑い、大きな声で言ったのだった。

「媚薬効果がなっ、まぁ迷信だろうがな!」

「……そ、そんなもん迷信に決まってるアルナ! アハハハ!」

 しかし、その乾いた笑い声と真っ赤な顔は、事実であったと認めているようなものだった。


2015/07/23