2年前のあの日、まだ膨らみかけだった乳が今では服を押し上げる巨乳に成長していた。それとあの太ももに括れ、尻。全てにおいて沖田の想像以上であった。妄想の中でどれほど抱いたか。最近ではそろそろSMプレイを始めようかと思っていた所である。それがいよいよ実現可能なのだ。沖田は丹念に体を洗いはしたが、このまま風呂に入っていれば逆上せると早々と上がったのだった。
腰にタオルだけを巻いて神楽の座るベッドまで行けば、神楽は顔を伏せて足元を見つめていた。
「は、早いアルナ。本当にちゃんと洗ったアルカ!?」
「なら、確認してみるか?」
すると神楽は茹だったような顔で沖田に枕を投げつけると、風呂場へと逃げて行った。その様子にさすがの神楽も緊張していることが窺えた。だが、人のことを言ってはいられないのだ。近藤からの話によれば、本当に好きな女を前にすると、あまりの緊張に勃たなくなることもあると聞いていた。そうなれば『不能』だとなじられること請け合いだ。考えるだけでも恐ろしい。男のプライドは折れ、ガラスのハートは砕け散る。そうならない為にも沖田には秘策があった。財布の中に隠していた『強靭根玉』と書かれた禍々しいクスリ。それを飲むと沖田は神楽が出てくるのを待った。
しかし、沖田の下腹部が既に膨れ上がっていると言うのになかなか神楽は出てこない。
「まさか、あいつこのまま出てこねーつもりじゃ…………」
心配になった沖田はバスルームに繋がるすりガラスのドアの前で神楽に声を掛けた。
「おい、まだ洗ってんのか?」
すると浮かび上がっているシルエットが体を抱いた。
「向こうで待ってろヨ!」
「あと1分だ、早くしろィ!」
沖田の目は既に血走っている。腰に巻いているタオルを押し上げる塊は熱を放ち、今にも暴発してしまいそうだ。
「テメーがあと1分以内に上がらねぇと風呂まで入るからな」
それは冗談ではなかった。馬鹿のように60秒を数えだしたのだ。
「いーち、にーい、さーん…………」
「ま、待てって! 今、着替えてるアル!」
「バスタオルで良いだろ。どーせ脱がせんだ」
とにかく神楽を早く抱いてしまいたい。ベッドに押し倒し、胸に顔を埋めながら発射したい。
「よんじゅいち、よんじゅうに…………」
「待て待て待て!」
すると髪を乾かし終わった神楽がチャイナドレス姿で出てきた。その姿に目を細めた沖田はあることに気が付いた。
こいつ、下着つけてねぇな…………
神楽のやる気を再確認した沖田は、神楽を抱きかかえるとベッドまで運んでしまった。
「急かすナ! 焦るナ! 慌てるナ!」
そんな言葉が通じると思っているなら神楽は甘すぎる。もはや性欲の化身となった沖田に待ては通用しない。
仰向けに寝かせた神楽に被さる沖田は神楽の右手を取ると、自分の下腹部へと誘った。
「これでもまだ言えるか」
「ひぃ!!」
色気のない声を上げた神楽に沖田は思わず笑ってしまいそうになったが、タオルの上からでも愛しい女の手に握られてると思うだけで…………
「あひッ、やべ………………」
腰がヒクつく。もう無理であった。沖田は動かなくなると目を強く閉じた。体が震える。堪らなく気持ちが良いのだ。
「あ……ああ、やっちまった…………」
「もしかしてお前、出ちゃったアルカ?」
神楽は瞬きを繰り返し驚いている。瞬殺だったのだ。驚きもするだろう。だが、沖田はこんなもんで萎えるような体ではない。荒い呼吸と滴る汗。薄ら笑いを浮かべると神楽の胸へと手を伸ばした。
「やわらけぇ…………」
「ち、待って! 違うアル」
神楽は慌てて体を起こすとベッドの端へ逃げようとした。
「はァ? 俺をその気にさせたテメーの罪は重い。覚悟しろ」
そう言って沖田が四つ這いで迫れば、神楽は後ろに倒れ、再び仰向けになった。
今すぐにでも貪り喰ってやりたいが……少し出したお陰で先程までよりは冷静になれる。そこで気付いた。神楽が何かを言おうとしていることに。
「何が違うって?」
神楽に覆い被されば、泳いでいた目が沖田に定まる。
「私たち、こういうことする関係ネ?」
その言葉に沖田も考えを巡らせる。
2年前に約束したのは、飽くまでも一発やるということだけだ。しかし、それを承諾したと言うことは、少なからず『嫌い』ではなかったのだろう。だが、そういう間柄かと聞かれれば…………
沖田は面倒臭いと考えるのをやめてしまった。
「つまりテメーが心配なのは、俺がお前の男かどうかってことだな?」
返事もせず、頷きもしないが神楽の瞳は『YES』と言っていた。
ここまで来たならあとは勢いでどうにでもなる。沖田は神楽の唇に迫ると囁いた。
「抱かせてくれ、マイスイート………………バニー。これで十分だろ?」
そのふざけた言い方に神楽は沖田の頬を大きくつねった。
「もう少し何かアルダロ!」
沖田は神楽の手を引き離すと、そのままベッドに押さえ込んだ。
「相変わらずうるせー女でさァ……こうしてやる」
神楽を見つめる沖田の瞳はマトモではなかった。神楽ももう観念しているのか、それを受け入れている。言葉はなくなり、熱い息を互いに意識すれば――――――初めて沖田と神楽の唇が重なった。
甘ぇ…………
柔らかく温かく、とろけてしまいそうな神楽の唇。その感触に沖田の体は再び火照る。
舌をゆっくり差し込めば、待ってましたとばかりに神楽が吸い付いて、沖田の脳天は痺れてしまった。すると神楽の腕が背中に回り、ずっとこうしたかったと囁くようであった。
いや、沖田の唇から逃れた口はハッキリと言ったのだ。
「ずっとお前とこうしたかったアル」
だが、その腕は少々キツく沖田を締め付け、ピキッと背骨に痛みが走った。
「待て! バカッ、折れる!」
しかし、神楽は沖田の体をグッと引き寄せると優しく微笑んだ。
「少し痛いのくらい我慢しろヨ! 減るもんじゃねーダロ!」
沖田の顔は神楽の胸に押し付けられると、あっという間に沈んでしまった。
それを両手で揉みながら沖田はあらゆる所で神楽の乳の柔らかさを堪能した。
頬だとか右手だとか左手だとか。
「なら、テメーもギャアギャア喚くなよ」
すると沖田の手が神楽のチャイナドレスを中途半端に脱がせ、神楽の右の乳房が露わになった。それを手のひらで掴んで揉んで、吸い付いて……神楽と沖田は汗にまみれた。
神楽の呼吸は乱れ、沖田はそれに悦ぶと静かに指で悪戯した。しかし、思いのほか神楽の体は準備が出来ており、中指くらいは易々と飲み込んだ。少しだけ指を引き出してみる。すると、逃さないと言ったように更にきつく締まった。これに沖田自身が飲み込まれるとどうなるのか……想像するだけで体は跳ねる。
神楽の顔を見ればもう既に熱で溶けかかっており、沖田を涙たっぷりの瞳で見ていた。
「やっ、やるなら、ひと思いに……やれヨ」
だが、ひと思いにやるなど沖田の主義に反する。恥ずかしがって苦しむ姿を眺めるのが趣味なのだ。沖田は神楽の顔を見ながらゆっくりと指を出し入れした。
「み、見るナぁあ!」
神楽は両腕で顔を隠してしまうと、沖田はつまらないと言った表情をした。しかし、顔が駄目なのであればコチラだと、沖田は神楽の股を大きく開け、指を抜き差ししている秘部へと間近に迫った。そしてワザと音を立てて愛撫した。神楽の割れ目から溢れる愛液がグチュグチュと卑猥な音を漏らす。
「なんでィ、だらしねーな。こんなに濡らして。テメーもやる気充分じゃねーか」
しかし、神楽はもう答えない。何かを堪えるような声を発するのみだ。それが沖田の腰の奥の方を刺激して、堪らなく震えた。今すぐにでも神楽の中に入らなければ、気が狂ってしまいそうなのだ。沖田は指を抜くと神楽の割れ目に自分のモノをあてがった。しかし、それでもまだ入れない。神楽の口から聞きたいのだ。愛らしい声で懇願する言葉を。
「神楽」
沖田が荒い呼吸でその名を呼べば、顔を隠している両腕の隙間から神楽が目を覗かせた。
「なッ、なにアルカ」
沖田の手は神楽の濡れている敏感な突起に伸びる。そして、グリグリとそこを弄れば割れ目の奥から止めどなく汁が流れでた。
「テメーも、もう、欲しいだろ……へへへ」
笑っているが眼の奥は笑っていない。欲しいのは他ではなく沖田自身なのだ。だが、ドSのドSゆえのプライドが邪魔をする。
「ああッ、んっ……ん、も、もう苦しいアル……」
その声にニヤリと沖田は笑った。
「なら、言えよ。はっきりと何が欲しいのか」
と、そうやってドSなセリフを口にした沖田はある事を思い出した。
マズい……コンドーム…………脱衣所に置いてきた……
しかし、取りに行くタイミングが分からない。見えている神楽は今にもイッてしまいそうだし、なんとなく格好もつかない。どうするべきなのか。少々、焦る表情で沖田が脱衣所を気にしている時だった。神楽の腰が浮いて、あてがっている沖田のイチモツへと擦り付けられた。
「それ、欲しい……アル……」
唇に指を咥え、所々が赤く染まる神楽のカラダ。それが素晴らしく妖艶であり、今スグにでもその体の秘密を知ってしまいたい。沖田の額に汗が流れた。
行くべきか否か。選択は二つに一つだ。
頭のなかで色んな計算が恐ろしいスピードで繰り広げられる。
もし、このまま突っ込んだ際のリスク。子どもが出来る。そうなれば嫁に神楽をもらう。男としての株も上がる。手当が増える。旦那と土方さんを鼻で笑える。
いいことずくめじゃねーかと沖田は驚いた。だが、大事なことを忘れていた。星海坊主と神威が付属品としてついて来ることを。それに気付かない沖田は頭の中から『コンドーム』と言う単語を消し去ると、目の前のご馳走に食らいついた。
「そんなに欲しいならくれてやる…………」
神楽の中に勢い良く無理やりに沖田が入ると、神楽が小さく悲鳴を上げた。
「イッったい! なにすんだヨ!!」
しかし、そうは言われても沖田も気遣ってやれる余裕はない。念願叶ってようやく神楽を抱けたのだ。気を抜けばすぐに持っていかれる。
「だ、から……それくらァ、我慢しろ」
そう言って沖田は神楽に大きく被さると口付けをし、煩い口を塞いだ。
腰の動きが止まらない。何故にこんなに快感なのか。それは神楽だからだろうか。想像を大幅に超越する快楽に、沖田は無我夢中で腰を振り続けた。
神楽も具合が良くなってきたのか、徐々に聞いたことのない声を漏らしだす。それが沖田の耳に入り、脳を直撃し、メーターをぶっ壊した。
神楽の細い腰を掴んで、体を打ち付ければ、神楽の柔らかい大きな胸がイヤらしく揺れ動く。
エロっ…………
そんな事を考えていると、神楽は自分でその胸を悩ましげに揉んだ。白い肌が興奮して赤く染まっている。その興奮は沖田によって引き起こされたものである。沖田はひたすら腰を打ち付け続けた。
絶景だ………………
しかし、もう限界は近い。それは神楽も同じようであった。
桜色の唇が艶めかしく動いた。
「お前の私に全部、ちょうだいネ」
遂に沖田の意識は、天辺にまで上りつめた。
「もう、無理でィ…………!」
そう言って神楽の体の奥で全てを望み通りに与えてやった沖田は…………ニヤリと笑った。
「まさかこんなもんで終わると思ってねぇだろな」
しかし、神楽は目を回している。
「な、なにアルカこれ、ちょっと待てヨ……待てヨ!」
「待て? 残念だが俺の辞書にその言葉は載ってねぇ」
『ハウス』と『ちんちん』は分かるのだが、『待て』は出来ない犬である。
沖田は分かりやすいほどに尻尾を振り立てると、神楽の体位を後背位に変えて再度その体を味わうのだった。
翌日、万事屋でのこと。ソファーでテーブルに足を乗せた沖田とその隣の神楽。対峙するのはこの家の主・坂田銀時だ。
「で、旦那。随分とテキトーなことを俺に教えてくれたみたいで。礼を言っておかねーと思いやしてねィ」
神楽を手に入れた沖田は、まさにこの国の帝王になったかのような気分であった。今なら銀時に負ける気がしないのだ。
「さぁ、好きなだけ俺の足舐めていいですぜィ」
不敵な笑みを浮かべる沖田は、まさか銀時によって召喚された星海坊主《バケモノ》が江戸に向かっているなど、何も知らずに神楽の腰を抱いているのだった。
2015/07/13
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